一松 ページ28
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「この図鑑ってまだあったけ?」
もう一度聞いてみるが、一松君は下を見ながらずっとブツブツ言っている。
一松「俺は…見てない見てない…きっと幻覚だ…そう幻覚幻覚…」
「?一松君?」
一松「静まれ…一松…幻覚だ…こういう時は 違うことを考えるんだ…」
「一松君!!!」
一松「…!え…!?」
大声で呼びかけると一松君はこちらを見たが、すぐ下を向いてしまった。
「?どうしたの?」
一松「え………あ…てるけど…?」
「?ごめん、何て言った?」
一松「だから…その…さっきから…」
「?なに?」
一松「さっきから…あ−…、えっと…その…見えてる…けど…」
「?見えてるってなにが?」
一松「え!?いや…それは……ピンクの……」
ピンク? 見えてる?
一瞬考え……意味が分かった瞬間、顔が赤くなった。
急いでスカートを押さえようとした瞬間
「きゃ!?」
一松「あっ!?」
足が台から滑り、床にぶつかる事を予感しながら咄嗟に私は目をつぶった。
けれど、いつまで経っても覚悟していたはずの衝撃はない。
私は恐る恐る目を開ける。
一松「…大丈夫?」
すぐ目の前には一松君の顔があった
「あ…」
今度はしっかりと目が合う。
一松君は心配そうに私を見つめていた。
一松「どこも打ってない?」
「だ、大丈夫」
慌てて距離を取ろうとしてふと気が付く。
一松君の腕の中にすっぽんと抱え込まれていた。
状況が飲み込めず、言葉が出せないでいると、
一松君は申し訳なさそうに眉を下げる。
一松「…ごめん、」
「え…あ…私こそごめんね。見苦しい物を見せて…」
一松「いや…、…見たのが他の奴じゃなくて良かった…」
そう言って一松君は、真っ赤な顔を横に向けた。
「う、うん?今度から気を付けます」
そんな一松君につられて私も赤くなる。
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みゆり(プロフ) - ぱわさん» コメントありがとうございます!この後、十四松のお話です! (2019年10月16日 9時) (レス) id: 0f30c1d8ba (このIDを非表示/違反報告)
ぱわ - あれ?もう、完結ですか!? (2019年10月14日 10時) (レス) id: dc49dd12be (このIDを非表示/違反報告)
みゆり(プロフ) - カラ松ガールさん» 本当ですかー!?ありがとうございますー! (2019年10月13日 19時) (レス) id: 0f30c1d8ba (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - この小説めっちゃ好きです!更新待ってます! (2019年10月13日 9時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
みゆり(プロフ) - れんやん。さん» 本当ですか!??そう言って貰えて嬉しいですー! (2019年10月12日 17時) (レス) id: 0f30c1d8ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆり | 作成日時:2018年12月8日 14時