【Ｈ×Ｈ】カフェマキアート【クロロ】 (ページ4)

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コーヒーの染み___4 ページ4

朝、早くからシフトに入りその日は一日中バイトをしていた。

彼は10:52からずっといた。

本を読むならもっといい場所がたくさんあるはずなのになっと思っていた。

彼の本を読むスピードはものすごく早い。どう見ても1000ページありそうな本を2冊ほど一日に読んでしまう。読書家なんだなと毎度思っている。

バイト中だと言うことを忘れてぼーっと彼を眺めていた。今日は案外お客様が少ない。居ても彼を含め7人ほど……

彼がチラッとこっちを向いて微笑んだ。私は直ぐに目線をずらし、目を逸らした。

ぶァっ！！！

顔が一気に熱くなった。

目が合った。恥ずかしい。もう一度チラッと見たら「こっちおいで」と手で招いていた。

私は彼に近づいた。

「ねぇ、Aちゃんって俺のこと嫌い？」

少し困った顔でそういった。貴方は「え？！」と少し大きな声を出した。無意識だ。彼は「しー」と人差し指を唇に当てながら1本立てた。

ああ、恥ずかしい……

「だったらよかった。俺毎回Aちゃんに逸らされている気がしてたから……」

彼は苦笑いをしながら「心配だったんだよね」と言った。

「すみません！不快な思いをさせてしまいましたか……」

多分、すごくひどい顔をしているだろう。ただ恥ずかしかっただけだったが、こんなことを言われるなんて思ってなくって内心すごく驚いた。

「不快な訳ではないがちょっと俺だけ意識してるみたいで恥ずかしかったんだよね」

彼はそういい目を本に向けた。
いつも何を読んでいるのだろう……
彼は何を思って本を読んでいるのだろう……
私は彼にとってどういう存在にならなれるのだろう……
聞きたいことは山のようにあった。
だけど、私には彼に話しかける勇気なんて到底ない。

「……好き」
「え？」

ハッとして口を塞いだ。

今私好きって声にでてた？！嘘！

「ありがとう」
彼はそういいブラックコーヒーを少し飲んだ

よく見るとその頬はほんのり赤く染まっているようにも見える。温かいコーヒーだからなのかもしれない。