travel 91 ページ45
「？どういう意味だ」
わからずに問うリオ。確かに、そうだ。なおさらとはどういうことだ。
「俺も、流石に限界ってこと、だ……」
言い終えるなり、アルティアはその場に倒れてしまった。しっかりとラフィナを抱いたまま。どうやら気を失っているらしい。その様子に、残ったメンバーは笑った。それから、ここからどう帰るか、とかを話し合うのだった。
・・・
後日。アルティアが目を覚ますと、そこはミラージュの宿屋だった。ふと窓に映った自分を見る。フェルマの言う通り、右目は紫、左は青だ。黒かった半身は、右腕の肘から下の部分にのみに縮んでいた。これならば隠すのは容易いな、などと考えながら、ふと視線を下に向ける。
そこには、寝息をたてて寝ているラフィナの姿が。どうやら介抱してくれていたらしい。とりあえず、自分の寝ていたベッドに寝かせようと動こうとして、ズキン、とお腹に痛みが走る。
「いってぇ……」
そこで、あの場所で自分が何をしたのかを思い出した。そうだ、大剣を貫通させたのだだった。堕神カルネジアの人体に影響する力(ex.頭痛を起こす、オーラを纏わせる等)を無理やり使わせて傷を塞いだはいいものの、ナカまでは完全に塞がっていなかったらしい。
それもそうだ。回復魔法ではないのだ。ただ、力で体を無理やり作っただけだ。そりゃナカまで塞がるわけがない。だが、かといってラフィナをこのままにはしておけない。アルティアは痛みに堪えながら、ラフィナをベッドに寝かせると、その隣に倒れこむ。
ボスッという音がして、少しの衝撃がくる。その衝撃でさえ、今の身体にはきついらしい。痛いと言いながらもアルティアはそのまま眠りに落ちた。
その後、買い出しに出かけていたらしいリオ達が戻ってきた。部屋に入り、アルティアとラフィナの状態を見て、微笑む。
「なんだ、一回起きたのかい？彼は」
「どうやらそうらしいね」
「ったく、傷塞がっててもかなりのダメージ負ってたんだろ？」
「そうだろうな。でなきゃ1か月も昏睡しねぇだろ」
「だよねぇ。ま、流石ってとこだよね。ほんっとに、この意地っ張りめ」
「お前が毒吐くなんて珍しいな」
なんて、そんなたわいのない話をする。どうやら、アルティアが完璧に復活するにはまだまだ時間がいるようだ。
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ユエル＠リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです！ (2017年10月16日 18時) (
レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです！続き待ってます！ (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル＠リノリア | 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月20日 23時
