travel 81 ページ35
路地裏とも呼べる場所を歩きながら、マジシャンはラフィナに尋ねる。
「お嬢ちゃん、この子と、あとベルと知り合いのようだけど……どうやって知り合ったんだい？」
「えとね、アル兄はわたしの村にケガして来たの、わたしが治して、それでね いっしょに旅、してるの！ベル兄も、おなじだよ！旅してるときに、会ったの」
「そっか。なるほどねぇ〜…今、私の弟子たちが次々と襲われているらしいから、心配してたんだけどねぇ〜…君達がいるなら大丈夫そうだねぇ」
「？……わたし、はたたかえないよ？つよいの、リオ姉とアル兄とベル兄だよ？」
「そうかそうか。4人で旅をしているんだねぇ…」
そんな風に話しながら歩いていると、大通りに出た。すると、近くで複数の足音が聞こえる。それはどんどんこちらに近づいているようで、音がする方を振り返ってみると、その足音の主はベルとリオ、アレクだった。
「おい飾り！」
「大丈夫――！！？」
「あ？こいつぁ…」
三者三様に反応をすると、ベルが真っ先に次の言葉をかけた。
「師匠！！どこほっつき歩いてんの！？ホント、敵の狙いは貴方なんだよ！？」
「それくらい、私もわかっている。ただ、敵の目的は“キミと私”を殺すことらしいけどね。あぁ、あとこの子、手当てしてあげてくれないかい？どうも2回ほど壁にクレーターができるほどぶつかっているようだから」
「アル兄……�爐�のもに、癒しを！――エイド��!!」
ベルの師匠に抱えられた状態で、ラフィナはアルティアに回復魔法をかける。すると、大体の傷は回復する。その様子に、ベルの師匠は感嘆の声を上げる。どうやら、このような小さな少女―それも、年端もいかない子どもである―が成し得た事に驚いたようだ。
「へぇ、その歳で回復魔法か……まぁ、あのレディノ村に伝わる伝承に出てくる巫女の特徴と同じだものねぇ……ふむふむ。これは いいものを見せてもらった。さて、彼を休ませてあげたいんだが……宿はとってあるかい？」
「あぁ、それならとってあるよ。詳しい話も、そこでしよう」
「そうだな。とりあえず状況確認しないとな」
「だな。それに、外にいたらまた黒いマントの集団に襲われないとも限らねぇしな」
満場一致(約1名、気絶しているが)で、宿屋へ行くことになり、歩き出すベルたち。――その影の中の一つが、影にあるはずのない、口で、ニィと嗤った。今は誰も、そのことに気づかない――。
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ユエル＠リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです！ (2017年10月16日 18時) (
レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです！続き待ってます！ (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル＠リノリア | 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月20日 23時
