travel 77 ※流血表現あり ページ31
・・・
あれから、1週間後。無事にミラージュへたどり着いたアルティア達。今は、宿屋も確保したので早速ベルの師匠を探している最中だ。アルティアとラフィナ、リオとアレクとベルの二手に分かれて、だ。
―アルティア&ラフィナ―
「ったく…見た目はベルと似たような格好だが、黒い燕尾服に…シルクハット、んで…大抵ジャグリングしてる、だったか…パッと見たら一発でわかるんだがな…」
「ジャグリング…！」
アルティアが言った中の、ジャグリングという言葉に反応した。目が輝いてる所から恐らく見たことがないからだろう。きっと後でベルに頼む筈だ。見せて欲しい、と。
「あー…きっとベルならやってくれると思うから、後で頼んでみな？」
「うん！」
・・・
そうして探すこと1時間。それらしい人は見当たらない。そのせいだろうか、今自分たちが歩いている所が人気の少ない所で、あからさまによろしくない雰囲気に包まれていようが、アルティアは歩みが遅く、歩いているにも関わらず、若干猫背に見える――つまり、アルティアは思い切り油断していたのである。
だから、いきなり右頬めがけて何かが飛んでこようと、避ける素ぶりすら、見せない。
ゴッ！というイイ音がした時には、既にアルティアは左側にほぼ水平に吹っ飛び、壁に激突し、決して小さくはないクレーターを作った。後ろ半身が壁に沈んでいる感覚がある。さらに言えば、頭から生暖かいモノが流れているようだ。
頭に怪我を負ったせいでクラクラするし、視界もぼやけている。そのぼやけた視界でも、色だけは見えた。どうやら、幸いにもラフィナには何もされていないらしい。
―あぁ、やっべぇ…油断、しすぎだ…俺…
ここで、はた、と気付く。いつもなら、ラフィナの声が聞こえる筈だ。しかし、いつまでたっても聞こえない。
「ハッ、なんだよぉ…堕神カルネジアを宿してるっつーから強いのかと思いきや…全然じゃないかぁ」
「あ、る…兄ぃ…！」
聞いたことない、若い男性の声。堕神―カルネジアと言うらしい―を宿してる、アルティアが狙い、らしい。
「あーぁ、もう気ぃ失っちまったのかぁ？」
「…んなわけ、ある…かよ…！」
アルティアは思いきり力を入れ、立ち上がる。血が、ボタボタと落ちるのも、お構いなしだ。今は、目の前の―黒髪短髪で天然パーマのかかったような髪型と血のように赤い目をした―男を倒さねばならない――。
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ユエル＠リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです！ (2017年10月16日 18時) (
レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです！続き待ってます！ (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル＠リノリア | 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月20日 23時
