travel 48 ※吐血描写注意 ページ2
「……だ」
「ったく、頑固だなお前は――」
聞き取れなかったにも関わらず、パールスワルトはアルティアが嫌だと言ったとわかったらしい。だが、次を言いかけた途端、途中で止めてしまった。否。正確には止めざるを得なかった。何故なら、アルティアの封印具からバチバチと音を立てて雷がチラついているからだ。しかし封印具自体は壊れる気配はない。アルティアは何とか起き上がったものの立ち上がる事は出来ないようで苦しそうに頭を抱えている。
「おいおい、しっかりしろ!そのまま飲まれたら、また「繰り返す事」になるぞ!」
「っ、ぅぐ…!!」
「アル兄!!」
「あっ!ラナちゃん!」
「おい、貴様!アイツをどうにかできないのか!?魔法使いなんだろう!?」
どうにかしなければ、その場にいた全員が思ったことだろう。しかし、アルティアは既に何とかしようと動いてる。次にラナがたまらずベルの腕から飛び出して、駆け寄った。そして
「“我が巫女の力よ、今集え!闇を払い、光をここに!ブライト・バン”!!!」
詠唱し、魔力が足らず発動できない筈の魔法を発動させた。アルティアを少しでも楽にしてあげたい。そう強く思ったのだろう。ラナの魔法により、アルティアの体は優しい光に包まれる。そして、いきなり光が溢れ、視界はホワイトアウトした。しばらくして光が収まると、アルティアは身体が幾分か楽になっていた。しかし、ラナは魔法の中でも大魔法と呼ばれる類のモノを魔力が足らない状態で発動させたため反動で吐血し、そのまま倒れてしまう。
「ゲホッ…!」
「ラナ!無茶しやがって…!第一、今のは魔力が足らないはずだろ!?なんでこうなるってわかってて発動させたんだ!!」
「だっ…て、アル兄が…くるし、そーだった、の…見てられなかった…の」
「バカ!俺のためなんかにそんな事すんな!くっそ、パール!お前の魔力ラナに分けてくれ!お前ならコレ使えるだろ!」
慌ててるかと思いきや、アルティアは怒鳴りながらもどうすれば最善かを考えていた。そして、パールスワルトに自身の持つ魔本――魔道書を渡す。
「おっとと…おいおい、こん中から探すのか!?」
「それの1666ページ!お前なら詠唱破棄で出来るはずだ!」
「…これか!――“マジックヒール”!」
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ユエル@リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます!不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです! (2017年10月16日 18時) (レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです!続き待ってます! (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユエル@リノリア | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月20日 23時