私は貴方の飼い主よ

最強の姉17 ページ18

つまらない卒業式が終わり、担任からの模範解答みたいなコメントを聞き、私たちは中学を卒業した。
最後のチャンスとでも思ったのか、悟は女子に囲まれ私は男子に囲まれ本当に鬱陶しい。
早く帰りたいのに帰させねぇぜ！みたいな勢いに最近短気になってきた私は不機嫌マックスの顔を隠さずに男子たちに向け、ただ『ウザイ死ね視界に入るな殺すぞ』と言い放ち彼らが固まってる隙に教室を出た。
悟の方は大丈夫かなと思いチラッと見たら、ものすっごいうぜぇって顔してこっちに向かってきた。

『おつ』

「まじうぜぇ」

『ボタンあげなかったの？』

「なんでアイツらに？姉さんに全部やるよ」

『ボタンだけ？それなら上着ちょうだい』

「は？どうすんの？」

『え？記念に置いとく』

「…クリーニングに出してからな」

『悟汚れてないしそのままでいいのに。ほぼ着てなかったし』

「いいから」

『はいはい』

これでやっと家に帰れる、そう思いながら下駄箱に向かえば何故か数人の女子を連れて高橋が居た。
最後の最後になんでこいつの顔見ないと行けないんだ最悪にも程がある。

「悟くぅん、伝えたい事があるの…」

「知らねぇよ退け」

「きゃっ」

はい、素晴らしい神対応を私は見れました。
超ぶりっ子な高橋を悟は見向きもせず肩パンして退かしました。
いやあのさ、話聞いてくれる？って顔しておきながら悟の靴箱の前に立つか普通。
こいつほんと常識ないな。
靴を履き替え要らない室内靴をそこら辺のゴミ箱に捨てようとする悟を止めて家で処分しようと注意した。

「めんど」

『私だってここで捨てたいけど、仕方ないでしょ？』

悟の室内靴を袋に入れて外で待つ車の元に向かおうとしたら高橋が悟に抱きつこうと後ろから走りよってきた。
それを悟は後ろを見ずに避けた為、高橋は見事ズッコケました。

『ハッ…ざまぁ』

「酷い！」

「あ？いきなり抱きついてくるとかお前頭おかしいだろ」

『悟ってほんとモテモテ』

「今の嫌味だろ」

『そんなことぉないよぉ？』

「ブハッ似てるwけどキモイからやめとけw」

軽く高橋をディスりそのまま行こうとしたら次は私に向かって顔を殴る感じで襲ってきた。
えぇなにこの子もう何がしたいのか分からないよお姉さん。
そのまま手首を掴みちょっとだけ強く握れば痛い痛いと叫び出して鼓膜破れるかと思った。
なんか泣き叫んでるけど私達はもう一切後ろを見ずに車に乗って家に帰った。






(悟ってやばい奴にモテるね)
(ブーメランなそれ)

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