私は貴方の飼い主よ

最強の姉16 ページ17

卒業式当日。
私の隣にはぶっすーと拗ねてる悟が居た。
卒業式なんて行かねぇとか言ってたけど私が流石に最後くらい出なさいと言ったんだよね。
教室では悟にキャーキャー言って話しかける女子が大量で、機嫌を悪くした悟が女子たちを無視して私を膝の上に座らせて胸に顔を埋めてきた。
いやまぁ良いんだけどさ、流石に卒業式では辞めてよね？
隣同士で椅子に座り、生徒代表の言葉を聞きながら甚爾のことを思い出す。
高専に入ったら会いに行くって言ってくれてたけど本当に来るのかな？
だってその時にはもう恵たち居るよね？しかも奥さん亡くした後だしやさぐれてない？大丈夫なのかな。
場所とかも調べたらすぐ分かったけど、なんか会いに行くことが出来なかったんだよなぁ。
だってさ、その人は甚爾に家族になってもいいと思わせた人で、彼女が無くなったことで甚爾はまた1人になったと思って全てを捨ててしまった。
そんな彼が、本当に来てくれるのかな。

「どうしたんだよ」

『…え？』

「なんか暗い顔してるから」

私をじっと見て心配そうな顔をしてる悟に私は頬を抓って『ごめん』と謝った。
悟に心配かけるなんて、お姉ちゃん失格だ。
心の中で反省していると、悟が手を握ってくれた。

「どうせ甚爾が来てくれるか心配してんだろ」

『ぅぐっ』

「もしさ、来なかったらお前から行けばいいんじゃ
ね？」

『…私から？』

「そんで、なんで来ないんだよって殴れば」

『…あははっ、殴っちゃうの？』

「約束破った罰」

『ふっ、そうだね。1発殴って一生私のペットとして傍に置くわ』

「……ヤンデレすぎね？」

『いいのー。甚爾は誰かに手網掴んでもらわないと生きていけない人なんだよ』

「…そうか？アイツどっちかと言えばネコタイプだろ？」

『犬ではないね』

「だろ？」

『でも、放し飼いしたとしても、帰る場所はここしかないって教えれば大丈夫でしょ』

「…姉さんまじで怖ぇって」

『私推しにはヤンデレタイプだったみたい。ほら、タイトルで分かってたことじゃん』

「やめろ、タイトルとか言うな」

『だって飼い主は私って、ヤバくね？』

「だからやめろって」

『きっとこれ書いてる人も同じ思考持ってるんだよ。でも分かる、私だけを見て私だけのために生きて欲しいって思ってて、もし裏切ったら即死系タイプだわ』

「こえーよ女」

『あんたも絶対に推しにはそういう思考タイプよ』

「俺は絶対に違う」

『私と双子なのよ？そうに決まってる』









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