前世 参愛 ページ5
「 グフッ……A……」
あと一撃で決着をつけるとなった時彼は私を殺す一撃を出すことが出来なかった。
『 ありがとう私を愛してくれて』
《葛藤の末の愛》を私に向けてくれた彼との最期の口付けは鉄の味がした。
─────
「 A様、南方に噂に聞く宿儺という男がいるようですがいかが致しますか?」
『そうなの?最近は暇してるし会いに行ってみようかな〜』
私よりふた周り以上小さいこの子は猫又の呪霊だ。ある呪術師に祓われそうなところ助けてあげたら懐いてしまった。
ちなみに名前は
『これは、また、凄い子なんだね宿儺って人は』
濃厚な死の気配を辿った先には壊滅した村と、村の住人だったであろう者たちの屍の上で酒を飲んでいる一人の男がいた。
「ケヒッ……おい、そこのお前、俺は今機嫌がいい。今すぐ出てくれば苦しまず殺してやろうケヒッヒヒッ、ック」
『わあ、怖いなァ!こんばんは私はAって言うんだけ……』
ズドーン、いやバコーンかな?
とりあえず凄い音を出しながら私の盾になって吹っ飛んでしまった
『
「 ……ゴホッゴホッもうしわ、グフッ……」
『ケヒッ、そんな弱い配下など捨ててしまうのが得策だなぁ?小娘』
まあ確かにそうだけど……
『
「?………!!」
私の術式で動きが一瞬止まった宿儺を2段蹴りで悪趣味な彼の玉座に吹っ飛ばす。
「……おい、小娘。何者だ」
『やっと話し聞いてくれる気になっ……てないみたいだー』
酔ってるからなのか、元来の性格だからなのか全く人の話を聞かない宿儺と戦い続けた。
そして何度目かの日が沈んだその日。
「……………………誰だ小娘」
『わあ、何度目の会話だろー、イラッときたァ』
酔いが覚めた宿儺にただ会いに来ただけだと説明する。
「ただの興味本位でこの俺に近づき何日もの間俺の相手をしていただと?……ケヒッ、クックックッ」
怖いなあ。まだ酔いが覚めてないのかな?
「愉快!愉快だぞ小娘!名を名乗るが良い!!クックック」
『………もう宿儺嫌い 』
この日を境に私の後を付けて回るように宿儺が現れるようになった。一つ言い訳をするなら宿儺のことをナメていたわけじゃない。単に彼の執着心と戦闘意欲が私の想像を上回った。それに限る。
364人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
武藤で無糖(プロフ) - みくさん» ヒョエーーー!そう思って頂けて嬉しい限りです。コメント凄いモチベになります!ありがとうございます߹ᯅ߹ (2022年11月8日 14時) (レス) @page28 id: 6b6a37760c (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - ヤバい...物語の進み方が好きすぎる...設定が好き....面白すぎます!夢主ちゃんのこういう感じ、めっちゃ好きです!! (2022年11月7日 20時) (レス) @page7 id: c22457a4d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:武藤で無糖 | 作成日時:2022年10月23日 15時