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「貴女日本から来たのね」
「えぇ、交換留学でね」
杏とパドマは大きなスプーンで掬ったプリンを皿に乗せて、その上に生クリームやフルーツを飾っていた。
今度はテーブルの上には、お城の様にデザートの山が並んでいる。
2人共ディナーをお腹一杯に食べた後に山の様なデザートが現れたので、もうこれ以上は食べられないと互いに苦笑いしていたが、2人はかれこれケーキを2つにアイスクリームを食べたし、プリンは2杯目だった。
杏はパドマとお喋りを楽しみながら、苺を転がる程皿に乗せてからスプーンで掬って口に運ぼうとした。
「そう、彼女は留学生だから」
「家にステイしてるんだ」
杏は突然背後から両肩に手を置かれて話し掛けられたので、スプーンから苺を落としてしまった。
この2人はいつの間にか後ろに居る事が多いと、杏はそっくりな顔を交互に見ながら思った。
「パドマ、フレッドとジョージ・ウィーズリーよ」
「まぁ…！そっくりね」
「初めましてパドマ。君も双子なんだって？」
フレッドがグリフィンドールの席に座るパーバティ・パチルを親指で差すと、パドマはこくりと頷いた。
彼女はパドマにそっくりな黒髪と顔をしていた。
2人はパドマとそんな話を交わして、彼女がケーキに手を付け出した時、杏と向かい合って座った。
「寮が違うのが惜しかったな」
「もし同じ寮だったら、毎晩俺らのイタズラ集会に参加して貰う筈だったのに」
フレッドとジョージは机を跨いだ先に座るドレッドヘアーの男子生徒に「なぁ、リー」と声を掛けた。
「汽車で話したろ？彼女がアンさ」
「あぁ、僕はリー・ジョーダン。君が僕らの参謀だって？」
杏は彼の言った"参謀"という言葉に暫く目を空中に彷徨わせたが、直ぐに顔を思いっきり顰めた。
「ちょっとフレッド！ジョージ！勝手な事言わないで頂戴」
「いいや僕には見える。君が僕らのイタズラを成功に導く様が…」
杏が双子に捲し立てられ困り果てていた時、突然テーブルの上にあったデザートがどこかへ姿を消し、マクゴガナルがワイングラスを鳴らしたので、杏は助かった。
ダンブルドア校長が静まり返った大広間に向かって声を発した。
「全員よく食べ、よく飲んだ事じゃろう。また二言、三言…新学期を迎えるにあたり、幾つかお知らせがある。
一年生に注意しておくが、校内にある森には立ち入らぬよう」
杏とパドマは顔を見合わせて「森？」と呟く。
するとチョウが、「禁じられた森よ」と2人に言った。
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作者名：ほっぷすてっぷ | 作成日時：2025年1月19日 9時
