【文スト】公園に佇む番外編さん【中原中也】

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やっと私は治くんから解放され、そして再び始まる2人の喧嘩。


以前町で会った敦くんは呆れた様子で2人を眺める。


探偵さんは2人の様子をケラケラと笑って眺めていた。

長髪の眼鏡をかけた男性は「社の部品が……」と金を心配して、そしてふらりと青ざめた顔で倒れてしまった。

そんな彼を見て与謝野さんは「おやおや、治療が必要かい？」と目をキラリと光らせた。


その間も2人は喧嘩の真っ最中。

しかし、途中で切り上げてきたのかずんずんとこちらに中也くんが向かってきた。


「こんなところ出て早く帰るぞA！」

「えっ、待って。そっち出口じゃなくて窓……」

帰るぞと腕をとられ歩く方向は探偵社の大きな窓。

出口のドアには見向きもしない。

「こっちの方が早いだろ」

「えええ、待って飛び降りるの？ 無理だよ怖い！」

「安心しろよ。死にはしねえ」

「わかってても怖いものは怖いの！」

「良いから捕まってろ」

ひょいっと私を横抱きにして窓のふちに両足をかける。

「じゃあな探偵社」

そしてそのまま地面へと飛んだ。

大丈夫と分かっててもやはり飛び降りる景色は見られず地面に降りるまでぎゅっと目をつぶり、彼にしっかりと捕まっていた。

「目、開けて大丈夫だぞ」

「生きてる……」

「当たり前だろ」

ふはっと彼は吹き出す。



……探偵社の皆さんに今度、何か迷惑料ということで差し入れを持って行こうかな。


抱き上げられていた身体は地に降ろされて、そのまま手を繋がれた。

「行くぞ」

「うん」

手を繋いだまま、私達は家まで歩いた。




『君がいなくなる。それは俺にとってとてつもない恐怖な事なのだ』 終。

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