時々のくせ ページ19
side髭切
今朝起きた時にAの様子が微かにおかしかった
十時頃、短刀達に誘われて鬼ごとをしていたAが不意に気になり庭に向かうと..
五虎退「うぅっ..」
秋田「A..さん？」
短刀達がビクビクして涙を浮かべていた
彼等二人の視線の先には他の短刀達に見上げられ
一人佇むA
向こうを向いてるから顔は見えないけど、Aを見上げる短刀達の顔色からしてね
だいたい...想像は付いた
「Aがごめんね」
僕は五虎退と秋田藤四郎の頭を軽く撫でて庭先に
降り立つ
「A」
名を呼んで近づくとAが振り返った
.....やっぱり何時もの奴か..
「駄目だよ。短刀達を襲ったりしたら..」
『...ﾌｰ』
「A」
威嚇する様に唸るAの身体を短刀達から離す
「A。しっかりして」
『ﾊｰ..ﾊｰ』
「...」
Aは時々、異常なまでに血に飢える
本能に目覚めて血を求めるんだ
そうなると間に合ってよかったかな
もし僕が来てなかったら短刀達が危なかったねぇ
「A。血はない。此処は戦場じゃないからね....興奮を抑えよう？」
しかしAはぎらついた瞳を僕に向けるだけ
返事はしない...でも呼吸は荒い
「..A」
もう一度名を呼んだ時
不意にAが僕の肩を掴んできた
「！」
『..』
「だ..駄目だってばA！」
Aがやろうとしてる事に気づき慌てるが
お構い無しにAは僕の襟を開き項を出した
駄目だ...こんな、ちゃんと自我のないAに
僕を傷つけさせたら..
後々Aは後悔に呑まれて辛くなる
「A！やめて！」
離れようとするのにAは僕に抱きつく様な
形になり、項..首筋に思い切り噛み付いてきた
「っ...ぁ」
これは..甘噛みじゃない...本気で噛んでる
じんわりと血が滲んでるのが自分でわかった
「...A」
これ以上は本当に..Aも駄目だ
...そう思っていた時ふと噛む力が緩まった
おっと思い黙って居ると、首筋から離れたAが小さく声を漏らす
『...髭切』
「うん」
正気が戻った..かな
『髭切...俺は、また.....また』
「大丈夫...大丈夫だよ。これ位大丈夫だからAは何も考えないでいい」
『だが..！』
「..大丈夫だから」
Aの声は微かに震えている
ほらね、こうなるから駄目だって言ったんだよ
とはいえ過ぎた事を言う訳にはいかない
「興奮が収まってよかったよ」
何か言いたげなAを乱藤四郎に預け
僕は薬研と共に手入れ部屋へ向かった
薬研「痛くねぇのか？」
「凄い痛い」
薬研「だろうな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 235人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
風船ガム - ぐじゅぇりさん» おおお！お久しぶりです！！そうですね！愛されています！ (2018年12月2日 17時) (
レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
ぐじゅぇり - お久しぶりです！こっちにも来てみました。やっぱ愛されてますねぇ (2018年12月1日 18時) (レス) id: f643507f9d (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - レオさん» ありがとうございます！！...是非嫁との絡みをこれからもお楽しみください！ (2018年11月14日 18時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
レオ(プロフ) - 更新を楽しみしながら見てます！完結したのがさみしい、、是非番外編や続編で嫁との絡みが見れる日を楽しみにしてます！ (2018年11月13日 0時) (レス) id: dabb770a1a (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - ながながな「和」〇雷おこしさん» どういたしましてです！......すみません...すごい、もう何がなんだか分からなくなってしまいまして！..そんな事言って下さりありがとうございます！...嫁さまは強いですｗ (2018年10月24日 22時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：風船ガム | 作成日時：2018年8月26日 19時
