第249話 ポジションチェンジ ページ50
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しかし、Aの前に大柄のディフェンス陣二人が立ちふさがり、ボールはまたもゼルへと渡ってしまった。
「“ガニメデプロトン”！」
ゼルの必殺シュートが、円堂めがけて打ち込まれた。
「“正義の鉄拳”！！」
円堂が弾き返したが、すぐに、マキュア、メトロン、ゼルの三人が攻め上がった。
「“ガイアブレイク”！！」
「“正義の鉄拳”！！」
またも円堂が弾き返し、必殺シュートを完全ブロックした。ボールは土門へ渡ったが、トラップミスにより、ゼルにボールを奪われた。
雷門イレブンには、疲れが見えている。
「どうして…」
「攻めるより、守るほうが遥かに疲れるのよ」
リカに渡ったボールがまたも奪われたその時、Aが動いた。
「睦月…！」
新たに選手交代して入ってきたAなら、まだ他のメンバーより疲労していない。Aはボールをカットし、前線へと攻め上がっていく。
Aの前に立ちふさがった大柄のディフェンス陣二人を、Aが素早くドリブルで抜き去った。
ゴール前でAが構え、ボールを高く蹴り上げる。
「
デザームが目を見開き、構えた。
「“ドリルスマッシャー”！」
デザームが少し押されたが、ボールはまたも弾き返された。
「睦月のシュートも通用しないのか…！」
「この程度か……」
デザームが言った。Aが歯を食いしばったそのとき、デザームはボールをフィールドの外へと転がした。
「もはやお前たちのシュートに興味はない」
「やっとその気になられたようですね……」
ゼルが笑った。
「審判、私とFWのゼルと、ポジションチェンジだ」
その言葉に、みんなが驚愕して目を見開いた。
フィールドプレイヤーとキーパーのポジションチェンジなど、ルール上は問題ないものの、そんなことをする選手はめったにいない。
デザームとゼルはユニフォームをチェンジすると、そのままポジションを入れ替えた。
「デザームがFWに…」
「あの男がいない今、興味はお前だ」
デザームは円堂の前に立ち、そういった。
「俺…？」
「宣言する」
デザームはニヤリと笑った。
「正義の鉄拳を破るのは、この私だ！」
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
