第238話 強さの秘密 ページ39
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それから雷門イレブンはしばらく聞き込みを続けたが、やはりめぼしい情報は得られなかった。
一時間ほどたったあたりでもう一度同じ場所に集まったとき、円堂が一人の少年を連れてきた。
「なんで割烹着…？」
「炎のストライカーって、この人……？」
体格のいい少年を見ながら円堂は首を横に振った。
「いや、そうじゃないんだけど、土方はすごいディフェンス技を持ってるんだ！」
「雷門の円堂にそう言ってもらえるとは嬉しいねぇ。はっはっは！」
「それで、みんなに紹介しようと思ったんだ！」
円堂は土方の肩に手を起きながら笑った。
「俺達のチームに入ってもらおうと思ってさ！」
「おっと、そいつはできない相談だ」
「えっ？」
円堂がきょとんとした。
「なぜだ？」
「さっき見たろ？俺には弟妹がいっぱいいる。あいつらの面倒見なきゃいけねぇんだ。だけどもし、ここが襲われたら、俺は戦うぜ」
「だから“力を貸す”って言ったのか……」
円堂は笑った。
「お前の強さの秘密は、守りたいものがいっぱいあるからだったんだな！」
「みんなだってそうだろ？」
「ああ！」
その時、一人で聞き込みをしていたAが集合場所に戻ってきた。
「あ、Aちゃん！」
秋が声をかけると、Aは顔を上げて微笑んだ。
「何か情報は見つかった？」
「いや……何もなかったよ」
「──お前、Aか？」
その時、土方が突然、Aの顔を見て声をかけた。みんなが目を丸くして、土方を見た。Aもキョトンとした顔をしている。
土方はAの方へ歩いてきた。
「Aだろ？ 久しぶりだなぁ！」
「え……睦月、土方と知り合いなのか？」
「土方……？」
円堂がきょとんとする中、Aは土方の顔をじっと見つめ、そして突然、思い出したように目を見開いた。
「土方！？」
「おう！思い出したか？」
「久しぶりだな！ でかくなりすぎてて一瞬分からなかった！」
「はっはっは！お前もずいぶん背が伸びたじゃないか！」
何がなんだかわからないというように目を丸くしているみんなに、Aは説明した。
「土方の父さんと鬼瓦おじさんが昔からの知り合いで、昔おじさんが沖縄に連れて行ってくれたときに、よく遊んだんだ」
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
