第229話 輝く太陽、青い海 ページ30
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「うぅ〜ん、輝く太陽、青い海……まるでうちら二人を祝福してるようやね、ダーリン！」
リカが一之瀬の方に引っ付きながらそう言った。それをみんなが苦笑いしながら見ていると、木暮がやってきて、春奈の後ろに隠れ始めた。
「木暮くん？」
「うっしっしっ！」
「何？どうしたの？」
「見ろ！！」
塔子が怒りながらみんなの前に現れた。顔に落書きされている。
「ベンチでうとうとしてたらこれだ！！」
「うっしっしっ！！」
「木暮くん！！」
「あっ、待て！木暮！！」
塔子が逃げる木暮を追いかけて走り出した。
「Aちゃん、大丈夫？暑い？」
みんなの近くに座りながらぼーっとしていたAに、秋が声をかけた。
「え、ああ……大丈夫だよ。確かに暑いけど……」
「さっきからずっとぼーっとしてるわね。船酔いかしら？」
夏未が、差していた日傘をAの方にも寄せたので、Aは慌てて首を横に振った。
「だ、大丈夫だよ。気にしないでくれ」
「……もしかして、豪炎寺くんのこと考えてた？」
秋がAに耳打ちをした。豪炎寺の名前を聞いた途端、Aは危うく、椅子から転げ落ちそうになった。ちょうど、「本線は、次の定着地、阿賀遠島に到着します。ご乗船、お疲れ様でした」とアナウンスがかかってた。
「な……なんのことだ！？！」
「声裏返ってるわよ」
「私、別に……いや！確かに会えたら……で、でもべつに……」
「Aちゃん……分かりやすい……」
秋が苦笑いした。Aの顔が真っ赤になった。それを察知したリカの目が、ぎらりと光ってAを見た。
「なになに？なんの話？コイバナ？ウチにも聞かせてや！！」
「ちっ、違う！」
「ぷぷーっ、あからさまやん！なあなあ、誰の話！？」
リカがAに詰め寄りはじめたとき、突然、悲鳴が聞こえた。
「先輩ーーっ！！」
みんながそっちの方に駆け寄ると、壁山と吹雪が見ている先で、目金が海に落っこちていた。
「誰かっ、誰かーーっ！」
円堂が目金を救い出そうと身を乗り出したとき、誰かが泳いで、目金を救い出した。
「よかったッス！！」
「すごい！誰だアイツ！？」
塔子が少年を指差して、感心したように言った。
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
