第225話 お断りします ページ26
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次の日の練習も、グダグダで、みんなやる気がいまいち出ていないようだった。
ボールが自分の方へ向かってきているというのに、壁山はぼーっとしていて取りもしない。
木暮もボールをとりそこねた。
「あれっ…」
「ノリ悪いなぁ。調子出ぇへんか？」
栗松は周りを見回して、そこにいつものメンツがいないことにひどく打ちのめされているようだった。
「風丸さん……吹雪さん……キャプテン……みんな、いなくなっていく……」
「壁山！栗松！」
ボールが壁山と栗松の方へ向かっていくと、壁山は慌てて反応し、よろけて栗松にぶつかってしまった。
「みんな、練習に集中できてないな…」
「そういう俺達もな…」
「いつもと同じように、自分が決めたメニューをこなすんだ！」
鬼道だけは、いつもどおり冷静にみんなを指揮していた。
「鬼道くんだけね。こんな時でも動じないのは…」
Aはシュート練習のため、ボールを手にとってゴールの方へと戻った。この前から、体調が優れない。ぐらりと一瞬視界が歪んだが、頬を叩いて気合を入れ、ボールを強く打ち込んだ。
────
「大変です！！栗松くんが……！！」
次の日の朝、キャラバンに、一枚の置き手紙が残されていた。春奈がそれを見つけ、円堂に渡した。
『キャプテン。俺もチーム、離れるでやんす。風丸さんが言ってた通りでやんす。いくら練習やっても、エイリア学園にはかなわないでやんす。もし、あのジェネシスを倒したとしても、また新しいチームが現れるかもしれない。きりがないでやんす。自分、もう限界でやんす。すみません。キャプテン、今までありがとうございましたでやんす』
それを読み終えた円堂は、うつむき、歯を食いしばった。
「栗松……」
「そんなのないッス……」
ここにきて、風丸だけでなく、栗松も離脱してしまった。みんなの表情は一気に曇っていった。
「円堂くんをメンバーから外します」
その日の練習、瞳子監督が突然告げた言葉に、みんなは動揺した。
「そんな…監督！」
「円堂くんを除くこのメンバーで、エイリア学園との戦いに臨みます」
「そ、そんな……！」
「鬼道くん、あなたに新キャプテンをお願いするわ。よろしく」
そう言って去っていこうとする監督に、鬼道は一言告げた。
「お断りします」
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第226話 それが円堂守だから→←第224話 無意識に、自分を
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作者名：無名 | 作成日時：2022年10月5日 10時
