第159話 完璧にならなきゃ ページ10
、
「お嬢さん」
漫遊寺の監督は春奈を見た。
「木暮の心にあなたの言葉はきっと響くはず。今日のお心遣い、本当にありがたいことですじゃ！」
「監督、木暮を仲間に入れなくていいんですか？」
風丸が聞いた。
「俺も、あいつは戦力になると思うんです」
「彼が自分の意志で私達と行くことを望むのならね」
瞳子監督が言った。
「懸命なご判断ですじゃ」
「ったく、しょうがないやつだな。なあ、吹雪よ？」
「………」
吹雪が暗い顔でうつむいた。二人の近くにいたAが、吹雪の顔をのぞき込んだ。
「吹雪、どうした？」
「僕、役に立たなかったな……」
吹雪の言葉に、染岡が眉をひそめた。
「んなこと言ったら、俺だって…」
「何にもできなかったんだ！」
吹雪が声を荒げた。悔しそうに顔を歪ませている。
「こんなんじゃだめだ……！完璧にならなきゃ……！」
「……」
Aは目をぱちくりさせた。空気が重くなるのを感じたAは、吹雪の肩を強く叩いた。
「吹雪、今日の経験は次に活かせばいいだけだ！それより、どこも怪我してないか？さっき正面からシュートを食らっただろ？」
吹雪はハッとしたように顔を上げ、Aを見ると、首を横に振った。
「ううん……大丈夫」
「そうか。ならいいんだ」
Aがにっこりした。
─────
「色々ご迷惑をおかけしました。我々のために戦ってくれたこと、感謝しています」
翌日、漫遊寺を立つため、キャラバンの前で漫遊寺のサッカー部員たちに別れを告げた。
「こちらこそ！色々ありがとう！」
「あの…」
春奈が、円堂と握手をしている垣田に不安そうに話しかけた。
「木暮くんは…」
「そういえば、姿が見えませんね…」
「あいつからうちのユニフォーム返してもらってないでやんすよ！」
「まあいいわ。記念のプレゼントってことにしときましょ」
「漫遊寺のこれからが思いやられますね！」
「木暮に言っといてください。サッカー頑張れって！」
円堂がにっこり笑いながら言った。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 160人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
無名(プロフ) - ヤギさん» 返信が遅れてしまいごめんなさい😭🙏嬉しいですありがとうございます…😭😭🙏🙏💕💕 (2022年10月4日 19時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - とても面白くて最初からここまで一気に読んでしまいました、応援してます！ (2022年6月1日 4時) (レス) @page2 id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無名 | 作成日時：2022年5月9日 22時
