第193話 完璧こそすべて ページ44
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「吹雪」
吹雪とAが床に座って休憩していると、鬼道が部屋に入ってきた。
「お前もディフェンスの特訓に参加してくれ」
吹雪は振り向くと、鬼道に微笑んだ。
「いいよ」
「吹雪、頑張れよ」
Aが吹雪に向かってそう言うと、吹雪は「うん」と笑った。
「Aちゃんも頑張ってね」
「あ……ああ」
今までやってきたマシンを破壊できたのは、ほとんど吹雪だった。Aも破壊できてはいたが、吹雪の力にはやはり劣る。あのスピードと威力をどうしても出せなかった。
染岡が抜けた今、雷門のFWはAと吹雪しかいない。今までは染岡と吹雪を中心にシュートを決めていたが、これからはAが染岡の代わりをしなくてはならない。しかし、Aには自信がなかった。
「やっぱり、私じゃ染岡の代わりなんて……」
鬼道と吹雪が出ていったあとの部屋で、Aは俯いて呟いた。しかし、すぐに顔を上げて立ち上がると、落ちていたボールを拾い上げ、「Lv.8」と書かれたマシンの前に立った。
─────
AがLv.Maxに到達するまでマシンを破壊できたところで、部屋にものすごい形相で吹雪が戻ってきた。
「吹雪？ディフェンスの特訓はもうやめたのか？」
「やめだ！あんなトロいことやってられるか！」
「あ、お、おい！吹雪……」
吹雪はAをマシンの前から押し出すと、Aが持っていたボールを奪い取った。
「俺はシュートを決めなきゃいけねぇ……！完璧こそすべて……！くらえ、デザーム───！！！」
Aはぽかんとした顔で吹雪を見ていたが、きゅっと唇を結び、吹雪の肩を叩いた。
「吹雪、マシンを独り占めするなよ。私も雷門のFWだ。一緒にやろう」
吹雪は顔を上げ、つり上がった目でAをじっと見つめると、足元に転がったボールを、Aの方へ渡した。
Aがボールを蹴りまたマシンに弾かれると、弾かれたボールを、今度は吹雪が蹴った。
それを二人が交互に繰り返す様子を、雷門のメンバーは、外で見つめていた。
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無名(プロフ) - ヤギさん» 返信が遅れてしまいごめんなさい😭🙏嬉しいですありがとうございます…😭😭🙏🙏💕💕 (2022年10月4日 19時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - とても面白くて最初からここまで一気に読んでしまいました、応援してます！ (2022年6月1日 4時) (レス) @page2 id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名 | 作成日時：2022年5月9日 22時
