第180話 “旋風陣”だ！ ページ31
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「そ、そうだ……みなさんに報告があるんです！」
この暗い雰囲気をどうにかしようと、春奈は手を叩いて、みんなの視線を自分の方へ向けた。
「報告？」
「木暮くん、できちゃったんです！」
「できちゃったって……何が？」
「イプシロン戦で見せたディフェンス技か」
「そうなんです！！」
春奈が嬉しそうに笑うと、木暮も「うっしっしっ」と笑った。
「すごいじゃないか木暮！見せてくれよ！」
「見せてやってもいいよ！」
木暮の言葉に、壁山はぽかんとして「なんすか、この自信…」と呟いた。
それからみんなで木暮を囲み、技を見せてもらうことになった。
「木暮くん！頑張って！」
「うっしっしっ、いいよ！来い！！」
木暮が構えると、まず塔子が、木暮に向かってボールを蹴った。
木暮は飛び上がると、逆さになって回転し、ボールを弾き飛ばした。
鬼道のもとに飛んできたボールを、鬼道がまた木暮に向かってぶつけると、木暮はまたそれを受け止め、今度は土門のほうにボールが向かった。
「ほほう、こりゃまた随分と磨きをかけてきたもんだ」
「ボールさばきも正確だ」
みんなからのシュートをすべて弾くと、みんなは関心したように声を上げた。
「木暮、やるじゃん！！」
「こりゃ強力なディフェンダーになるっスよ！！」
「よし、これでラストだ！！」
円堂が最後に蹴ったボールをしっかり受け止め足もとに置いた木暮を見て、秋が「すごいすごい！！」と声を上げた。その横で、目金が得意げになった。
「なかなかの技ですねぇ。“スパイラルレックス”とでも名付けますか…」
「ダサい」
「ダサっ…！？！？」
「俺の技は、“旋風陣”だ！！」
木暮の言葉に、みんなは微笑んだ。
「旋風陣かぁ！ウン、いい名前だ！！」
「これからの戦略にも幅ができそうだ」
「いい技を編み出したな、木暮」
風丸に支えられてグラウンドへ入ってきた染岡が、木暮を褒め称えた。
「そいつでイプシロンのボールをカットしまくれ！」
染岡が差し出した手を見ながら、木暮はぽかんとし、周りを見回した。それから、微笑んで染岡を見た。
「……俺、このチームに来て良かったよ」
そう言って木暮が染岡の手を握りしめたその時、染岡がぞっとしたように身震いした。
染岡がゆっくり手を開くと、そこには毛虫のおもちゃが握らされていた。
「木暮ええッ！！」
「うっしっしっ！！」
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第181話 サッカーは楽しいんだって→←第179話 一時撤退ってやつだ
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無名(プロフ) - ヤギさん» 返信が遅れてしまいごめんなさい😭🙏嬉しいですありがとうございます…😭😭🙏🙏💕💕 (2022年10月4日 19時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
ヤギ(プロフ) - とても面白くて最初からここまで一気に読んでしまいました、応援してます！ (2022年6月1日 4時) (レス) @page2 id: 4a42e1cfde (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名 | 作成日時：2022年5月9日 22時
