第014話 こんなんじゃだめだ ページ15
、
それから、皆は河川敷で練習を始めた。
しかし、染岡だけ様子がおかしかった。実際の試合で行ったらファウルになりかねない危険行為を繰り返している。一人だけ、焦っているような感じだ。
「染岡、今のはファウルだろ！」
影野のユニフォームを引っ張って転ばせ、無理にボールを奪って走り出す染岡に半田が注意したが聞かない。
風丸が走って、染岡の横に並んだ。
「染岡、待てよ──うわっ！」
染岡は風丸をぐっと押しやると、ボールをゴールネットに向けて放ったが、それてポストに当たった。
「どうしたんだよ、染岡！」
「クソッ！こんなんじゃだめだ！」
「染岡さん、ちょっとラフプレーすぎますよ！」
「そんなことねえよッ！！」
染岡の様子がおかしいのを心配そうに秋が見つめていた。Aは他の部の助っ人に駆り出されて、後から来るという話になっていたため、まだ姿は見えなかった。
その時河川敷の外から声がして、春奈が走ってきた。
「木野せんぱーい！」
「あら、また取材？」
「いいえ！今日は練習の見学です！！私、あれから雷門イレブンのファンになっちゃったんです！！もうみんなが一生懸命戦う姿が格好良くって！！」
その熱意っぷりに、秋は苦笑いだ。
「でも、なんか今日は息があってませんよね」
「うん……染岡くんがね。たぶん、次の試合決まって、焦ってるのかも」
「次の試合！？どことやるんですか？」
「尾刈斗中よ」
「尾刈斗中！？えぇ〜〜……」
春奈が不安そうな顔をした。
「どうしたの？」
「先輩、知らないんですか？」
春奈は声を潜めた。
「尾刈斗中って、色々怖い噂があるところですよ……」
────
「怖い噂？」
後から河川敷にやってきたAが、秋から話を聞いて目をぱちくりさせた。
「へ、へえ……どんなのだ？」
「うん、例えば、尾刈斗中と試合したチームは、数日後にみんな高熱を出して倒れるとか……」
Aは少し口角を引きつらせた。
「尾刈斗中のゴールにシュートしようとすると足が動かなくなるとか──Aちゃん、どうしたの？」
「えっ！？あ、あっ、いや、な、なんでもないぞ！」
Aが慌てて手をブンブン振るのを見て、秋はじっと目を細めた。
、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
無名(プロフ) - マナさん» 大丈夫ですよ！頑張ってください〜！ (2022年3月5日 22時) (
レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 無名さん» 迷惑かけてすみません…… (2022年3月5日 18時) (レス) id: e4cf19c355 (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - まるまるんさん» そうだったんですね笑 わざわざありがとうございます😭🙏💗 (2022年3月5日 18時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - マナさん» 私の名前と作品名を表記して下さればそれで大丈夫です🙇♀ (2022年3月5日 18時) (レス) id: 144fc818ef (このIDを非表示/違反報告)
マナ - まるまるんさん» まだ書いてはいませんが…イナズマイレブンの話なんですけど… (2022年3月5日 17時) (レス) id: e4cf19c355 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無名 | 作成日時：2022年3月2日 8時
