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「おー、何処だここ。」
レノルがたどり着いたのは目当てにしていた闘技場…とよく似た場所だった。
同じく闘技場ではあるが、受刑者5人の姿はない。
「所長ォー、受刑者と受験者どっちもいないんだけどー。」
上に向かって声を出せば、ノイズ音と共に先程まで話していたリッポーの声が響く。
「お前はそこで受験者を待っていればいい。いずれ来るだろう。」
「いずれねぇ……それまでやることないんだけど？」
「待っていればいい。」
無理やり切られたアナウンスに舌打ちをし、レノルは壁に背を預け座り込んだ。
ノアはひっそりと底の見えない溝を覗き込んでいる。
「ノア、落ちると危ないからこっちにおいで。」
ノアは従い、レノルの隣にちょこんと座る。けれどやることも無く、何処と無くつまらなそうだ。
「ボードゲームでもしようか？」
ノアは首を横に振る。
「カードゲームは？」
また首を横に振る。
「…おえかき？」
縦に首を振る。
「いいよ。好きなだけ描けばいい。」
そう言ってレノルはどこからとも無く画用紙とクレヨンを出してみせ、ノアに差し出した。
＿＿＿＿
しばらくの時間が経った。
そろそろノアのスケッチブックの空白が無くなってきたが、受験者が来る気配は一向にない。
…いや、実の所レノルが待つこの場所に受験者は来たのだ。1人だけ。
その1人…受験番号54番にはノアを殺す事でここを通れるという試験を与えた。
しかし、54番は子供を殺すことは出来ないと言う。
避けてばかりの54番に飽きたレノルはただ一言、不合格とだけ告げてその首を蹴り飛ばした。男の首は簡単に胴体から零れ落ち、ボールの様に転がり、底の見えない溝へ消えていった。
「(もう少し遊べば退屈しなかったか…)」
少しばかりの退屈しのぎが無くなったレノルは、静かに目を閉じ神経を研ぎ澄ませた。
「(…最下層に2人、中層に17人、上層に…6人。)」
「(…この階には…5人。この…隣)」
おもむろにレノルは立ち上がり、ノアを見下ろした。
「ノア、おえかきは終わりだ。行こう。」
ノアはスケッチブックを閉じ、クレヨンもしまうと、差し出されたレノルの手を取り立ち上がる。
……そしてレノルは目の前の壁をぶち抜いた。
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如月 昴(プロフ) - 待ってます (2020年12月24日 0時) (
レス) id: f6be19e74d (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - 如月 昴さん» コメントありがとうございます〜！いずれ本人も戦う(予定)ので気長に見守ってやってください……() (2020年12月24日 0時) (レス) id: 6c23cea859 (このIDを非表示/違反報告)
如月 昴(プロフ) - 夢主の性格は好きだけど妹にやらせてるのはちょっと、本人にやってほしいな (2020年12月23日 17時) (レス) id: f6be19e74d (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - レイカさん» ありがとうございます(五体投地)頑張ります……！ (2020年5月4日 19時) (レス) id: 6c23cea859 (このIDを非表示/違反報告)
レイカ(プロフ) - え、好きです（唐突）更新頑張って下さい！ (2020年5月4日 15時) (レス) id: 2f295bf970 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪寝子 | 作成日時：2019年11月24日 22時
