糸、18本 ページ22
＿＿＿＿部屋の明かりは消え、外は夜なんだと実感した。
窓もないこの部屋で過ごすこと数時間、本を頼りない保安灯の光で読み漁るのも飽きてしまった。ゴンさんとキルア、クラピカさんはもう寝てしまったし、レオリオさんは何やらテレビを見ているし……
寝てしまおうかとも考えてみたけれど、一向に瞼は重くならず。座椅子の背もたれに身体を預けたまま。
膝に掛けられたブランケットと服の擦れる音が嫌に響く。
「……眠れないのか？」
ふと掛かった声を辿れば寝ていたはずのクラピカさんだった。
「ええ…起こしてしまいましたか？」
「いや、目が覚めただけだ。」
「そうですか。」
一度敵意をむき出しにされてから、些か話し難い。……だからといってあからさまに避けることはしないけれど。
試験内容が協力なら敵対は以ての外、良好にならずとも互いにデメリットが無いようにすればいいだけ。
一度読んだ本の最後のページを再度目を滑らせていると、柔らかい何かがぽすん、と頭に落ちた。
「あっ！Aさんごめんなさい！」
「おいゴン！コントロール悪過ぎだろ！！」
……二人は寝てたはず…。
子供は溌剌なのだと身を持って知った。
…私もまだ成人していないけれど。
それからまた時間は過ぎて、二人はまたすやりすやりと寝ている。
クラピカさんは完全に目が覚めてしまったようで、また本を読み始めた。
「…Aさん」
「何でしょうか。」
本に目を向けていた彼は視線を私に投げかけた。
「幻影旅団の居場所は知っているのか。」
＿＿＿＿それを知って何になる。
＿＿＿＿それを知った貴方は何をする。
「いいえ、分かりかねます。」
「そうか……。」
分からないと言うのは本当の事だ。
あの方々は各地を転々とするし、招集が無い限りそれぞれ別々に行動している。
それに今回だって、終わったら連絡する事と仰せつかっている。
この時間でも彼らは仕事している事だってあるのだ、アジトも変わる。
「……何故、幻影旅団が恩人だと言う？」
本を閉じ、真っ直ぐ私を射抜く視線。
それがなんだか嫌で、私は彼から目を逸らした。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 231人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪寝子(プロフ) - たぬぽこ//tanupokoさん» ありがとうございますゥウウウウウウ！！！！ヒソカ×夢主書いててすごく楽しくて……！更新頑張ります！ (2019年3月26日 0時) (
レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
たぬぽこ//tanupoko(プロフ) - コメント失礼します！夢主ちゃん可愛いくて可愛いくて……初心な彼女をヒソカがいじって喜んでいるところが大好きです！これからのヒソカと夢主ちゃんとの絡みが楽しみです！(それ以外の方との絡みも大好きですよ) 更新されたらまた飛んで来ますね☆ (2019年3月25日 23時) (レス) id: 7891f007bf (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - ヒガンバナさん» ンンンンンンンン(悶)ありがとうございます〜ッッッ！！！！！！！更新頑張ります！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
ヒガンバナ(プロフ) - めっちゃくちゃ！お！も！し！ろ！いいいい！最高です！更新を楽しみにしています！頑張ってください！ (2019年3月23日 15時) (レス) id: 5d73287e24 (このIDを非表示/違反報告)
雪寝子(プロフ) - 鈴切丸さん» わわわありがとうございます〜！更新頑張ります！ (2019年1月13日 14時) (レス) id: 51730a8f9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪寝子 | 作成日時：2017年12月17日 15時
