解せぬ……31 ページ3
貴方side
「Aちゃん〜……」
半べそをかきながら私の席へと来るまりちゃん。
私は一体どうしたのかと聞くと、彼女は実はね、と話し始めた。
「実はね、未提出物がとんでもない量になってて……」
そう言って"未提出物リスト"と先生によって書かれたであろう紙を私に見せた。
私はそれを見たとたん、目を見開いた。
『え、本当にこれ全部未提出なの?』
「うん……」
その紙には、"何やってたの?"と言われても仕方ないほどの量の提出物がつらつらと書かれていた。
どうしようと嘆く彼女に、私は頑張れと言うことしかできない。
すると、彼女は名案だと言わんばかりにポンと手を叩き、私の両手を手にとった。
「Aちゃん!! 協力してくれない?!」
『……え……?』
ーーー
『……なんで引き受けちゃったのかな……』
私は目の前に積まれた山積みのプリントやら問題集やらを見て、ため息をついて言った。
今更ながら後悔をしているのだ。
彼女の忘れ癖を忘れたわけではない。
けれど、これを断ってしまったら、友達でなくなる気がして怖かった。
引き受けてしまった以上、無責任なことは出来ない。
幸い、自分の宿題は既に提出済みだ。
朝練にあてていた時間や、授業中にやればきっとすぐに終わるだろう。
『……はぁぁ……』
そう思い、早速私はプリントをし始めたのだった。
542人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
冬景色(プロフ) - かめそんさん» 初めまして。応援コメントありがとうございます!お褒めに預かりとても嬉しく思います。これからも精進いたします! (2020年5月12日 7時) (レス) id: e83ba022d2 (このIDを非表示/違反報告)
かめそん(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白くて続きが気になります!更新頑張って下さい!! (2020年5月12日 4時) (レス) id: e5672cfe47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:冬景色 | 作成日時:2020年5月9日 8時