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誰もいないオフィスの灯りを消して
セキュリティ開始のボタンをタッチして
今日は少しだけ残って仕事をしたし
お母さんは歌舞伎観に行くって言ってたから
久しぶりにいつものカフェでご飯食べて帰ろうかな。
無性にビーフシチュー食べたいのは
多分昨日見た飯テロドラマのせいだ。
熱々のビーフシチューとカリカリのバゲット。
うう。早くエレベーター来い！
ポーン、と音がして開いたエレベーターから降りてきた丸山さんと危うくぶつかりそうになった。
「あれ、今？」
「はい、今日集荷の人が遅くて。丸山さんは？」
「プロジェクター返しとかんと、明日朝イチで錦戸くんが持ち出しの予定入ってたから。」
「ああ、それキャンセルになってましたよ、夕方メール来て。」
「ええ〜〜〜〜。じゃ、直接帰れば良かったな。」
パソコンとプロジェクター、
スクリーンで両手がふさがっている丸山さんの代わりに
セキュリティ解除してドアを開ける。
薄暗いオフィスにふたりきり、なんてドキドキしてしまう。
いや、少女漫画の見過ぎか！
「今日昼食べ損ねてもうお腹ペコペコぺこりんこやわ〜。」
そう言いながら荷物を元の場所に戻した丸山さんが、倉庫から戻ってきた。
「さて、そういうわけやから」
「は？」
「何がいい？肉？魚？」
何故か当然のようにふたりで私の行きつけのカフェに向かった。
予定通りビーフシチューとカリカリのバゲット
丸山さんはナポリタンとビール。
くるくるとフォークを回転させながらじっと私の手元を見ている。
「………ちょっと食べます？」
「ええの？じゃ、ナポリタンとかえっこしよ！」
女子か！と突っ込みたくなるよね。
次来たときは絶対ビーフシチューにしよ……
とつぶやきながら私のビーフシチューを私の使っていたスプーンで
え！「ちょっと」って言ったのに結構いってますけど！
でも
本当はちょっと嬉しかったりするから困ったもんだ。
「こないだふらっと入った洋食屋さんがめっちゃいい感じやってん。今度連れて行くな。」
くいしん坊の丸山さんにとって私と美味しいもの食べに行くのは
もはや釣り部やゴルフ斑の活動みたいなもので
それ以上のものはないとわかっているけど
嬉しいような切ないような複雑な気持ちを持て余していたら
「あー！バゲットまで！！！」
ビーフシチュー……からっぽ！！
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ふわり∞(プロフ) - ゆうひさん！ごめんなさい、お返事が返せていませんでした。完結が先か、コロナ禍収束が先かなんて笑えないくらい遅筆でごめんなさい。続編進めていきますのでよろしくお願いします。 (2020年5月17日 19時) (
レス) id: ba308280a7 (このIDを非表示/違反報告)
ふわり∞(プロフ) - 丸まるさん» ありがとうございます！続編やっと1話書けましたので公開いたしました。引き続きご覧いただけると嬉しいです。 (2020年5月17日 19時) (レス) id: ba308280a7 (このIDを非表示/違反報告)
丸まる(プロフ) - いつも、楽しく読ませてもらってます。切ない気持ちとかが細かいから、直ぐに引き込まれます。！on the sideの続きを読みたいので鍵を教えてもらっても良いでしょうか？ 今後も楽しみにしてます。 (2020年5月17日 11時) (レス) id: a153ec6e2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうひ(プロフ) - 優柔不断なマルちゃんもそれはそれで憎めなかったりするので、やはり悪い男なのかも知れない！続きが気になります！！ (2019年12月25日 21時) (レス) id: 1f1151a94a (このIDを非表示/違反報告)
ふわり∞(プロフ) - えりかさん» 続きの続きはもうしばらくお待ちください！パソコン壊れてなかなか進まないのよー！スマホだと書きにくくて。 (2019年11月30日 21時) (レス) id: ba308280a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわり∞
| 作成日時：2019年8月28日 19時
