78.sha side ページ28
sha side
まあそんな事があって、俺にとっての彼女はほんまに女神みたいな存在で、、、同じ部活に居るってだけで息が出来なくなる。なのに表面上での俺の態度は最悪。普通ならこんな奴、関わるのすら嫌な筈やのに、、、
『シャオロン君、ゾム君達を止められなくて本当にごめんなさい、、、』
この人は、適度な距離を取りつつも接し続けてくれる。
俺の事を思って、俺の事だけを考えて、行動してくれている。
なんて恐れ多くも甘美な蜜なんやろう。
嬉しい?好き?愛しい?
そんな陳腐な言葉を口にしたりでもすれば、
彼女の存在を穢してしまう様な気がしてまう。
「、、、いいっすよ、別に、、、気にしてないんで」
彼女の透き通った瞳に自分の姿が映ったのを悟ると俺は相も変わらず素っ気ない態度で目を逸らした。
『あのっ』
だがそれは彼女の一声によって阻まれた。
「、、、なんすか」
『私、シャオロン君に何かしてしまったんじゃないかって、ずっと考えてたんです』
知っとった。今現在の彼女の脳内を支配している割合を、俺が一番多く占めている事。もしかしてそれだけで喜んでしまっていた俺は可笑しいんやろうか。
『それで私、ふと思い出したんですけど、、、』
、、、いいや、可笑しくったっていい。
『私達、以前何処かで、、、?』
自分の価値も鑑みず、彼女の瞳に俺を映して欲しい、、、
なんて、浅はかで烏滸がましい高望みをしてしもた。
「、、、思い出しましたか」
『!じゃあ君はやっぱりあの時の、、、?』
俺が頷くのを見た彼女が心底安心した様な表情を浮かべるので俺が不思議に思っているとそれが彼女にも伝わったんやろう。彼女は言葉を続けた。
『自分勝手にあんな事言っといて、あの子は今元気に学校に通えているのか、友人とは上手く和解出来たのか、心の何処かで引っ掛かっていたんです』
え、、、?じゃああれからも、名前も知らん俺の事気に掛け続けてくれてたって、事、、、?
『髪、、、変えたんですね』
「、、、あんたが言ったんやろ。外見変えるのも一つの手や、って」
『ふふっそうでしたね』
"とてもお似合いです"
ほんまにこの人は、、、
「、、、あ、りがとぅ、、、ござ、ます」
『なんで敬語なんですか笑』
「おっ、お互い様でしょうっ?!」
嗚呼、女神様と笑い合える日が来るなんて、
少し前の自分に教えてやりたいわ。
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黒翠(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!この作品に出会って下さったということに、感謝の気持ちで胸いっぱいです。お優しいコメントをありがとうございます! (2023年3月14日 0時) (レス) @page40 id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - コメント失礼します。この小説面白いです。黒翠さん、素敵な作品をありがとうございます (2023年3月13日 21時) (レス) @page39 id: e066df4934 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - リリィさん» コメントありがとうございます!嬉しい限りです!そのお言葉で更新頑張れますありがとうございます!! (2022年2月22日 0時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - とても面白くて続きが楽しみです! (2022年2月21日 21時) (レス) @page6 id: 74ae9aa626 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - 露助さん» いえいえそんな!いつもコメントありがとうございます!頑張れます〜!(書いてる私自身も思ってます^^;) (2022年2月16日 22時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒翠 | 作成日時:2022年2月8日 0時