76.sha side ページ26
sha side
いくら自分を正当化させたいからって、俺は何て下劣な思考を、、、
『その辛気臭い顔を変えてあげる為に寄越された天からの使い、、、
とでも言った方が良かったですかねぇ？』
まあ冗談ですけどと言って悪戯に笑う彼女の横顔は本当に天から舞い降りた天使なんやないかって、、、いや、天使なんてもんやない、俺の目も、魂も、吸い込まれてまうんやないかって少し怖く思えるぐらい、女神様のように輝かしかった。
『まぁ、私も貴方と同じように、周囲に当たりたくなるぐらいの苦い思いをした事がありますから、その気持ちは少し分かります、、、ですが、あまり気負い過ぎては、息が詰まってしまいますよ』
「でも、俺っ、どうしたらええかなんて、、、」
俯きながら呟いた俺の声は、ぽつりぽつりと弱まってはきた雨の音に掻き消されたかと思えば、しっかり彼女の耳には届いとったみたいで、
「うみ"ゅっ？！」
『まずはそんな暗ぁいお顔で足元ばっか見つめてないで、』
彼女は両手を俺の頬に添え、無理矢理俺の顔を見上げさせる。
『空を見上げてみるのも、存外悪くないかも、ですよ？』
彼女の微笑みに心臓が鳴り止まない。
なんやこれ、こんな、ちょろかったんか、俺、、、
こんなんじゃ、アノ子に顔向け出来なっ、、、
"はるとくん"
「、、、ぇ」
耳馴染みのある声がしたと思うと、俺は真っ白な世界に居た。
なんやこれっ、あの人は何処にっ、、、？
いや、それよりもっ、、、
「、、、カヤ、ちゃん、？」
"久しぶり、はるとくん"
目の前におるのは、紛れもない、アノ子やった。
小学生の姿やのに、何処か大人びた空気を纏うカノジョに少し戸惑う。
「カヤっ、」
俺が口を開いた途端、カノジョは俺の唇に手を当て首を横に振った。
「でもっ！！」
そう言い掛けると俺の体は背中から倒れ込み、黒い渦の中に吸い込まれていく様に落ちて行った。その淵から此方を覗いていたカノジョは、あの頃となんら変わらない微笑みを浮かべていた。
「、、、ん、、、はっ？」
『目が覚めましたか？』
「うおっ？！な、何してっ？！！」
『急に倒れ込むから吃驚したんですよ？』
空が見えると思ったら彼女の顔が俺の前にドアップで映り込んで思わず飛び起きてしもた。ひ、膝枕とか、、、おかん以外にして貰ったん初めてなんやけど、、、っ！！
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黒翠(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！この作品に出会って下さったということに、感謝の気持ちで胸いっぱいです。お優しいコメントをありがとうございます！ (2023年3月14日 0時) (
レス) @page40 id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - コメント失礼します。この小説面白いです。黒翠さん、素敵な作品をありがとうございます (2023年3月13日 21時) (レス) @page39 id: e066df4934 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - リリィさん» コメントありがとうございます！嬉しい限りです！そのお言葉で更新頑張れますありがとうございます！！ (2022年2月22日 0時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - とても面白くて続きが楽しみです！ (2022年2月21日 21時) (レス) @page6 id: 74ae9aa626 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - 露助さん» いえいえそんな！いつもコメントありがとうございます！頑張れます〜！(書いてる私自身も思ってます^^;) (2022年2月16日 22時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒翠 | 作成日時：2022年2月8日 0時
