73.sha side ページ23
sha side
あの後は直ぐに式が始まった為うやむやに出来たけど、大先生はどうしてもずっとボブにしている理由が気になってしゃーないんかして、体育館から教室に戻る時も、教室でのHRが終わってからもその話を持ち出してきた。
「なあ〜ええ加減教えてくれてもええやんシャオちゃん〜教えてくれやな僕、気になって今日寝られんくなってまうわあ」
「、、、しつこいなあ。俺はこれが気に入ってんねん」
「ふ〜ん、、、シャオちゃんがええならええけど〜？シャオちゃんは僕に負けず劣らず顔は整ってんねんからもっとカッコいい髪型にカットしてもええと思うけどなあ〜」
何も知らない癖にだる絡みしてくる大先生に腹を立てた俺は、
ｺﾞﾝｯｯ
「、、、っぇ？」
気付くと俺は、怒りに身を任せて大先生の頬目掛けて拳を振り翳し、
「しつこいって、、、ゆーてるやろ」
そのままその場を走り去ってしもた。
家の近くまで走って来ると、小さい頃よく遊んだ公園を見つけ、俺はブランコの一つに腰を下ろした。
"じゃあ君はシャオちゃんやね！"
アノ子がこの世から居なくなった世界なんて、全て壊れてしもたらええ。そんな考えのまま入った地元の中学校。
明らかに近寄んなオーラを出しとった俺の前の席に腰掛けて、最初に声を掛けてきたのが大先生。今思っても、あんな物好きは彼奴だけやろうな。
最初は誰かと連む事を拒んどった俺が、次第に幼い頃の元気を取り戻せていったんは、間違いなく彼奴の長けたコミュニケーション能力と人の良さそうな笑顔のお陰や。
「何やってんねん、俺は、、、」
そんなかけがえのない友達に、大先生に、最低な事をした。
自分の都合で勝手に彼奴を振り回しといて、挙句の果てには暴力を振るった。
「もう、元には戻れんよなぁ、、、っ」
こんな最低な奴、絶交されるに決まっとる。百パー自分が悪いんやから、俺にはそれを拒む権利すらあらへん。
じっと地面を睨みつけていた瞳の目頭に熱が篭り、くっきりとした視界が奪われていった。
「自分で突き放した様なもんやのに、ほんま自分勝手過ぎるわ、
俺、、、」
拭いても拭いても服の裾の変色する部分は増えていくばかり。
それどころか、嗚咽する声まで漏れ始めてきた。
ほんま、、、自己中な自分が嫌になる。
「こんな俺なんて、、、」
周りの人を不幸にしてしまう様な人間なんて、、、
「生きてる価値すらあらへんやん、、、」
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黒翠(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！この作品に出会って下さったということに、感謝の気持ちで胸いっぱいです。お優しいコメントをありがとうございます！ (2023年3月14日 0時) (
レス) @page40 id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - コメント失礼します。この小説面白いです。黒翠さん、素敵な作品をありがとうございます (2023年3月13日 21時) (レス) @page39 id: e066df4934 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - リリィさん» コメントありがとうございます！嬉しい限りです！そのお言葉で更新頑張れますありがとうございます！！ (2022年2月22日 0時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ - とても面白くて続きが楽しみです！ (2022年2月21日 21時) (レス) @page6 id: 74ae9aa626 (このIDを非表示/違反報告)
黒翠(プロフ) - 露助さん» いえいえそんな！いつもコメントありがとうございます！頑張れます〜！(書いてる私自身も思ってます^^;) (2022年2月16日 22時) (レス) id: 73723415d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒翠 | 作成日時：2022年2月8日 0時
