明日も君と、恋をしよう【after】

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絡んで伏せられた目元で

瞼に置かれた煌めきに
くすぐったさが混ぜ込まれて






「紫耀くんはないの？そういうの」






揺れた声を誤魔化すストローが
その唇へと挟まれる






「えー……、体育館裏に呼び出されてとか？」

「あー、青春っぽい」

「まぁもうできないけどね」

「それは言っちゃダメ」

「あとはなんだろ。夜景の見えるレストランとか？」

「なんか紫耀くん、ロマンチストだね」

「えぇっ？あー……、」







すくめる肩に細め合う眼が
いちいち堪らなく締め付けて








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さぁ、どうしよ








.









やっぱここまできちゃったら




もう、

好きだって言いたくなる







「ロマンチストっていうか、」






思い出の場所って言ったら
浮かんで決まるのはひとつで

今からでも行けるなぁ、なんて






「バイト先にさ、めっちゃ少女マンガ好きなヤツがいて」

「あ、あのカフェだっけ」

「そそそ、ドマーニ。そのせいでめっちゃ読まされてんの」

「少女マンガを？」

「少女マンガを」






へぇ、って抜け出たその息に

ぱちり開かれた瞳は
ほんの少し何かに揺れて





気付けないその眼の理由に
もどかしさが覆い被さるから

手繰り寄せたくて、息が詰まって






「Aちゃんも読んだりするん？」

「んー、最近はそんな読まないかな」

「へぇ、そんなもんなんや」






意外、なんてつい漏れた声に
傾げられた首が落とす髪





「女のコはみんな読んでると思ってた」

「あー、まぁ高校くらいまではね。読んだりもしてたけど」

「大人になっちゃったのかぁ」






ふふ、って揺られたその肩は
考えた眉を上がらせて






「あ、でも読んでる子もいるよ？」






くるり瞬きに柔さが戻るから






「スマホで見てたりとか」

「わ、めっちゃ今どき」

「そうそう。だから授業中も読んでたりね」

「悪事も進化しちゃうんや」

「進化って言うとポジティブだね」







その手で回すストローが









カラリ

落とさせた氷に









「あのさ、」









勝手に急かして放る声









「ちょっと、この後な？」








またいつか、って延ばしたって

縋りついたはずのその日は
ほんとに来るか分からないから








「Aちゃんと行きたいとこできたんやけど」








それなら

確かにある今日で









「付き合ってもらってもい？」









ちょっと無茶なくらい

近づきたい

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