明日も君と、恋をしよう【after】

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お風呂上がりの頬っぺたは
さすがにちょっぴり色づいて






「A、」

「ん？」

「髪、乾かしたげる」







その手のドライヤーを取って
さっきみたいに呼び込めば


座った膝を抱えてるから
挟ませてみたクッションは

ありがとなんてギュってされて






「いいなぁ」

「え？」

「俺もギューされたい」






ひとつ瞬きに仰ぐ瞳が
俺の目に飛んで揺れたまま


開きっぱなしで声を探して
チラリ歯がのぞく口元






「ふふっ、そんな固まる？」

「や、だって」

「んふ、いいよ。また今度のお楽しみにしとく」







床へと立てた膝に乗っかって
上から風を吹かせてけば


揺らす指でなびく毛先は
当たらないのにくすぐったい









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「はい、終わりー！」







熱の残る髪を梳いて

くるり振り向くその瞳は







「ありがとう」

「どーいたしまして、」







目元までかかる前髪が




やけに

ほどけて見せるから








「あ、いいよ。おれ置いてくる」






つい逸らした視線で逃げて

着いた鏡に深呼吸









……よし、戻ろ









すっかりお休みモードなAは
腰だけベッドに掛けたまま

その目はテレビに向かってて




映っては流れてく歌詞に

世界が敵とかある？、なんて
カッコ悪すぎる対抗心






「この曲好き？」

「へ、なんで？」

「や、……なんとなく」






もぐり込みかけたベッドから
瞬きに見上げられちゃって

舌は答えに詰まるから







「聞いてみただけー」

「わ、」







ばさり浮かばせた布団を
その肩まで引いて寝かしつけて



座り込む床にあぐらをかけば

腕がちょうど乗ったベッドで
布団越しに当てる手のひら








「子守唄いる？」

「歌ってくれるの？」

「頼まれたら歌うけど」

「えー……、どうしようかな」







もぞり枕を押す頭が
ぐるりこっちに戻ったら

今日は平気、って返されて







「えー、いいの？」

「歌いたい？」

「や、そういうんじゃないけど」







んふふ、なんてAのにんまり顔に

つられて緩んじゃう喉から
ふへってヤバイ声が鳴っちゃって


せき払いで誤魔化しはしたけど
ぜんっぜん意味ないような







「また今度のお楽しみにしとく」






くすり細められるその眼は

最後にちっちゃい欠伸を付けて
ちょっぴり水気を滲ませる

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