明日も君と、恋をしよう【after】

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「ね、ほんとにいいの？」





じゃらり財布行きのお釣りに
つられてAへと落っこちる声

ん？、って見上げてくる目は
先が続くのを待ってて





「や、今更だけど。ジャマじゃない？」

「邪魔じゃないよ」

「ウザくなったら言ってね？」

「ふふ、うん。すぐ言う」





お手柔らかに、なんておどけて
その掌を取ってみれば

チラリ合う目がくすぐったくて





「手、さっきよりあったかいね」

「そう？ご飯食べたからかな」

「代謝か」

「うん、代謝だ」





ぶらり揺らす腕にニヤけながら

来た道に戻りかけるけど
またピタリすぐに止まる足







「デート、したいんだよね？」








声ごと隣を眼が見下ろして
その瞳の中に落ちれば

頷く頬っぺは染まりかけ






「じゃあさ。ちょこっとだけ買い物してもい？」

「買い物？」

「うん。雑貨屋さん行きたい」






いい？へいき？、って覗いた瞳は

染まりきっちゃったその頬っぺたを
コクリちっちゃく下げさせて


おっきく振りたくなる繋ぐ手を
押し出した息で抑え込む






「何か欲しいものあるの？」

「んーとね、歯ブラシ」

「歯ブラシ、」

「そ。おそろいの」






向こう側の手が梳く髪で

照れてんだ、って分かるから
もっとつつきたくなっちゃって






「あとねぇ、部屋着とかも置いときたい。いい？」






調子に乗って揺れてく腕






「いい、けど」

「で、Aのもウチに置いとく」

「わたし？」

「そ。そしたらいつでも来れんじゃん」







照れさせたかったはずなのに

言ってるこっちが照れてきちゃって
なんてね、とか足してみたり



声も眼も全部忙しい







「じゃあ、私もマグカップ欲しい」

「マグカップ？」

「うん。ペアのマグカップ」







ベタでしょ、なんていたずら声で
その肩をすくめさせるから

やられたまま飲み込む息に







「いいじゃん、ベタなの」







振れてた手をいったん止めて

チラリ瞳を盗んだあとで
その掌を掴み直す

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