明日も君と、恋をしよう【after】

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「えっと、どのタイミングで？」

「OKもらったあとで」





へぇぇ、なんてわざとらしい声に
こてり首は傾けられて





「なんでそうなったの」

「や、正直よく覚えてない」

「あっはは、そりゃ大変だ」





おっきく声を飛ばす口は
クシャリその眼に線を引く





「先が思いやられるね？」

「海人さぁ、面白がってる？」

「えぇ？ないないない、真剣だよ？」





そんなキラキラ見られてもな





単に楽しんでるんだか
相談に乗ってる気なのか

やっぱりよく分かんないけど




その前にステーキが置かれれば

とりあえずはがっつくワケで
やっと終わる質問攻め





「っあぁー、生き返ったぁ」

「え、そんな腹減ってた？」

「お昼軽めにしちゃってさぁ、」

「あー、それはあかんわ」





眠くなりそうだったんだもん、って
尖る口に押し込まれたフォーク






ひとつ吐かれた息のあとで

ちょっと落ち着いたらしい海人は
コップにするり指を伸ばす






「でもほんとびっくりだなぁ」






入れたばっかのステーキを
ほっぺの中へと押し込ませて

なにが？、ってだけ返しとけば






「もうくっついちゃうとは思わなかった」






へらりともしない口元に
やけにくっきり見つめる目





「なに、急に」

「思っただけ」





そんなふうに落とされたら
そわり喉元が浮くから






「焦り過ぎって？」







考えない声が転がる






「やー？そうは思わないけど」






含ませた唇の端っこに
チロリ覗かせたその舌は

ソースを拭い損ねたままやから
指してやればへらり緩んで






「紫耀って慎重派だと思ってたから」

「え、俺が？」

「うん、紫耀の話だよ？」






慎重、とか

そんなん初めて言われた






「なにそんな固まってんの」

「や、言われたことなかったから」

「あー。慎重っていうかね、……ビビリ？」





もたれるままに反った顎を
その指先でさすりながら





「当たって砕けろっていうよりはー、」





えーっとね、なんて傾げて
覗き込んできた瞳は

わりとすぐ元に戻されて





「なくなるなら最初からないほうがいい、みたいな？」





あっさり瞬いて細まる

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