まくらのはなし【プチ短編集】 (ページ6)

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うでまくら×ベッドページ6

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滑り込ませた手のひらで
枕から離した頭を

差し出した腕へと乗っける

ほんと、

よく寝てんなぁ

雪崩れ落ちた前髪から
ばっちり覗いてる眉毛も

動く気なしのお構いなし

ジャマせず済んだのはいいけど

ノーリアクションでスヤスヤなんて
それはそれで気に入んなくて

わがままだよなぁ

でも、

さみしいんだからしょうがない

頭だけが近いまんまの
ぶかっこ過ぎなうでまくらに

モゾついて身体を寄せれば

布団の中で抱いた腰は
パジャマ越しでもあったかくて

飲み込むせり上がった息は

あくびごと全部流し込む

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……ぜんっぜん慣れないや

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おでこに唇を当てたり

頬っぺを親指で擦ったり

仕上げに鼻先をちょっと突いて
抱え込み直したお腹

見つけた手を握ってみたら
甘やかしたくなっちゃうから

とにかくさっさと目を閉じる

それで朝はちゃんと起きて
ホットケーキでも焼いたげよう

せっかくイチゴ買ってきたし
ちょっと豪華なやつにして

あ、しまった

バター買ってくんの忘れた

まだ残ってた気はするけど
ちょっとだよなぁ

どんなんだっけ

バターがちょぴっとだけなんて

そんなホットケーキはやだし

えー、どうしよ

さわさわ迷ってから絡めた指が
いっきに睡魔を連れてきて

……だめだ

.

顎を引けばふわり当たる

消え掛けた

お風呂の香りに

緩みすぎた口が開いた