ふたつのいと 5

5-15 告白の心拍数 ページ15

5-15 告白の心拍数









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映像はいつの間にか、次の曲に変わってて、









「見てて楽しい？」







『心地いいです』





って、変な返し。









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「なぁ、」






横を向くと、隆二さんは大きなテレビ画面を見たまま、





「こんな、雰囲気も、空気も完璧に俺の予想とは違うんだけど、」







『はい』








「Aが言う前に俺から言いたい」








『はい』








「三年前、一目惚れしました。」






コトッと缶ビールをローテーブルに置いて。







私も、同じように、パックのリプティーを置きました。









隆二さんは、お行儀悪くあげてた脚を、おろして、





身体ごと、私の方を向きました。









私も、上半身を隆二さんの方に向けました。









「この一ヶ月、めっちゃ色々あったし、俺のせいで泣かせたし、考えさせた。」







『はい…』







「でも、俺、Aと一週間、一緒にいて、やっぱ間違いないと思ったんだ、よね」







『はい…』








「俺は、Aが好きです。多分、これが頂点じゃなくて、これからもっともっと好きになると思う」






『はい』






「本当はどっか夜景の綺麗な静かなところって思ってたんだけど、それは、プロポーズまでとっとくね」







『は、い？』







「自分と、一緒にいてください。」









まっすぐ、




胸に響く声。









『私も、あの日、会った瞬間、この人のこと好きになると思いました』









『そして、本当に好きになりました。』









『ふつつか者ですが、隆二さんをずっと好きでいていいですか？』









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「当たり前だろ」









隆二さんの腕が私の背中に回り、









ぎゅっと、抱きしめ









お互いの心拍が早くなる。









おデコを合わせて、









軽いキスから始めましょう。

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