＃百七十七振り目 ページ34
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〔私...。末期がん、みたいで〕
〔.....何だって...？〕
〔とうさま？「がん」って、何...？〕
薄暗い病室。
締め切られたカーテンの横、弱々しく笑う、女性の姿。
〔こんなつもりじゃなかったんだけど＿＿＿。本当に、ごめんね〕
〔お前が謝ることじゃない！何か...、何か方法が...！〕
「今なら分かるよ。「がん」って病名なんだよね。とうさまがあんなに焦ったところ、私見たことなかったし...。すごくびっくりして、かあさまと会える時間も、どんどんなくなってって、」
そして。
がらんとした病室。誰もいないベッドの隣で棒立ちになっている父を見る、少女の姿。
〔かあさま...。かあさま...っ！〕
〔何か...、方法があるはずなんだ...っ、あいつが、俺を置いて死ぬはずない＿＿＿！！〕
『...この時から、壊れていったの？』
「そう。とうさまはかあさまを生き返らせるためにやっきになって、私にも構ってくれなくなっちゃった」
私の隣で寂しそうに笑う少女。
＿＿＿この年で母を病で亡くし、父は離れていく。
...私には、本丸が乗っ取られた後も父さんがいたから、まだ良かった。
けど、この子には。
頼れる大人は誰もいなかったんだ。
〔こんにちは！今日からこの学級でお世話になります。よろしくお願いします！〕
「あれは、中学校の私。...とうさまとはもう、ほとんど口を利かなくなってたけど...。あの時はまだ、寂しくなかった。中学校生活は、結構充実してたんだ」
『へぇ...。友達もたくさんいたの？』
「うん！楽しかったよ！」
場面転換。
黒板の前に立つのは、笑顔が眩しい黒髪の美少女。
成長した少女だろう。
ぱちぱちと拍手で歓迎されて、自分の席についた。
友達と、年頃らしくカラオケに行ったり、ショッピングに行ったり。
中学生らしくテストに苦悩して、勉強を頑張って。
＿＿＿全ては、父に見てもらう為。
あらゆる時間を仕事につぎ込んでいた父と会話することは滅多になくなり、...それでも少女は、父と交流を持ちたかった。
そりゃそうだろう。
...血の繋がった家族だ。
私だって、今までずっと大切にしてきてくれた父さんが、手のひらを返すように構ってくれなくなったら、きっとおかしくなってしまう。
勉強の成果は出た。
充実しているはずなのに。
「...心にぽっかり穴が空いてる感じ。とっても変な気持ちだった」
『一人っきりでいるのって、...辛いもんね』
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＊紫苑＊(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます！続編完成しましたよ！(*^▽^*)続編の方でも楽しんでくださると嬉しいです…！(*≧∀≦*)あともう少しだけお付き合いください！よろしくお願いします！ (2020年4月3日 21時) (
レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 続編気になるーーー頑張ってください！！！！大ファンです！ (2020年3月30日 14時) (レス) id: 54588389f1 (このIDを非表示/違反報告)
＊紫苑＊(プロフ) - ちゃらんぽらんさん» 嬉しいコメントありがとうございます...!!1人でも多くの刀剣乱舞ファンの方を伊達組沼に落とそうと画策していた次第であります（笑）楽しんで頂いているようで作者も本望です(*^▽^*)続編、ラストスパートかけていきます！あと少し、よろしくお願いします！！ (2020年3月23日 11時) (レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - (続)寂しさも感じます、続きを楽しみに待っております！かなり長くなってしまって申し訳ない！更新頑張ってください！！！ (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - 初コメ失礼します！！めっっっっっっちゃ続きが気になりすぎて夜しか眠れません((元々鶴丸だけを推してたんですが、この小説がきっかけで一気に伊達沼に堕ちました……サイコーだぜ…((続きが気になるし、早く読みたいと思う反面、伍で終わってしまうのか…という(続) (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊紫苑＊ | 作者ホームページ：http://twitter.com/wakagi116
作成日時：2019年5月10日 18時
