#百六十五振り目 ページ22
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...という、取り留めもなさそうで実は意外と深い話が終了した頃合いで、私たち二人と一匹は目的の場所に到着した___。
って。
言えるのか?これは...。
『気配は...』
「ここが一番強く感じられるのですが...」
「は?何を言ってる、誰もいないだろうが」
簡潔な事実をぐっさり長谷部に突き付けられ、私もこんのすけも返す言葉が無かった。
そう、長谷部の言う通り。
そこには、誰もいなかったし何もなかった。
いやいやそれは有り得ない、だって現にこうして気配らしい気配は感じているし...、と言い訳めいた言葉をブツブツ呟きながらこんのすけに助けを求めるも、返ってきたのは私の目と同じ事を言っている視線のみ。
...どうするもこうするもないか。
辺りはやはり、黒い闇。
『あれ?...でも...』
突如気づいた、微かな違和感。
頭上、どこまで続いているか見当もつかない闇に手をかざし、じっ...と見てみる。
___うん。
やっぱり、そうだ。
これが果たして、何を意味しているのかは分からないけど。
『闇の色が、薄くなってる...』
「何と!」
「...何...?」
全員が、揃って上を見上げた。
...見上げなくても、全てがそうだ。
下、横、後ろ、とにかく全方向すべてに、それは言えた。
気づけば早い。
わざと気にしないようにしていた、私たちを執拗に取り巻いていた影華特有の霊力も、ここではだいぶ弱くなっている。
『何かの気配...。闇が薄い、霊力も薄い...。この場所に、何か意味があるっての?』
「そこまで特筆すべき事柄が揃っているなら、...そう考えるのが自然だな」
長谷部の同意も得た。
思考の中で瞬時に繋がるのは、これが脱出の鍵になるでは、という事。
ヒントはどうにかして掴めそうだけど...。
ここでコケたら、後戻り出来ないという自身の危険信号が、さっきからビービーとけたたましく鳴り響いている。
慎重に、慎重に...。
本能的に長谷部、こんのすけと背中合わせになりながら、周りをよく監察しようと視線を走らせ、___ふと、私の目に留まったのは。
この場所にしては、随分と場違いな"それ"だった。
『こ、...子供...?』
「「!!」」
少し行った先。
膝を抱えて座っている背中が、確かに見えた___。
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*紫苑*(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます!続編完成しましたよ!(*^▽^*)続編の方でも楽しんでくださると嬉しいです…!(*≧∀≦*)あともう少しだけお付き合いください!よろしくお願いします! (2020年4月3日 21時) (レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 続編気になるーーー頑張ってください!!!!大ファンです! (2020年3月30日 14時) (レス) id: 54588389f1 (このIDを非表示/違反報告)
*紫苑*(プロフ) - ちゃらんぽらんさん» 嬉しいコメントありがとうございます...!!1人でも多くの刀剣乱舞ファンの方を伊達組沼に落とそうと画策していた次第であります(笑)楽しんで頂いているようで作者も本望です(*^▽^*)続編、ラストスパートかけていきます!あと少し、よろしくお願いします!! (2020年3月23日 11時) (レス) id: a951637298 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - (続)寂しさも感じます、続きを楽しみに待っております!かなり長くなってしまって申し訳ない!更新頑張ってください!!! (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃらんぽらん(プロフ) - 初コメ失礼します!!めっっっっっっちゃ続きが気になりすぎて夜しか眠れません((元々鶴丸だけを推してたんですが、この小説がきっかけで一気に伊達沼に堕ちました……サイコーだぜ…((続きが気になるし、早く読みたいと思う反面、伍で終わってしまうのか…という(続) (2020年3月20日 13時) (レス) id: 72997b1d17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*紫苑* | 作者ホームページ:http://twitter.com/wakagi116
作成日時:2019年5月10日 18時