第27話 ページ29
目が覚めて飛び起きる。
視界に入ったのは、紛れもない自分の部屋。
「今回は私のほうが起きるの早かったわね。もう踏まれたくないし…」
「根に持ってたの!?ごめんって!」
横に座っていた亜美と話をする。亜美は手にケータイを持っていた。私たちが入って、出てきたもの。
「…動かなくなっちゃったの。でも、とっておこうと思って」
悲しいような、微妙な微笑みを見せて、亜美はそう言う。
「うん。とっておこうよ!お姉ちゃんの机でいいよ!」
私は笑って答える。
「…そうね。そういえば、さっきお母さんに会ったけど、すごい普通だったわ。フィラが言ってた記憶操作ってやつみたいね、本当になんだったのかしら」
「夢だったの…かな?それは無いか、ケータイがそこにあるんだし…まあ、何もなかったからよかったんじゃない?」
亜美は私と会話をしながら、自分の勉強机の一番上の引き出しを開けて、ケータイを入れていた。
引き出しを閉じると、こう言った。
「さて…あっちでは建物にいたから気づかなかったけど…私たちが学校から帰った時に向こうに行ったわけで…かなり時間が経ってるわけで、もう朝日が出る時間だけれど、どうする?」
私たちの夢は、平日に消されていった。
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作者名:埣空 碧(さいくう あお) | 作成日時:2013年4月20日 19時