ふしぎな世界【オリジナル】 (ページ3)

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第3話ページ3

―――――――――。

「ん…ぅ」

目が覚める。あれから何分、いや、何時間たったことだろう。
身体を起こし、状況を整理する。
…まず、「あれ」とは何だっけ？
私はどうなったんだっけ？
そんな事を考えていると、頭がごちゃごちゃしてきた。
しかし、はっきりと思い出せた。
気を失う前に起きた、あの非現実的な状況を。

―そういえば、お姉ちゃんは？

姉の存在を思い出し、周囲を見渡す。
そこで初めて気づいた。
ここは、自分の家じゃない。
一面に広がる草原だった。

時々高く生い茂る草はあるものの、そこは「緑」としか言いようのない場所だった。

「きれい……あ」

素晴らしい空の青と草の緑の世界に思わず立ち上がって見惚れていた由美だが、少しして姉を再び思い出した。
くるりと回って草原を見渡す。
ふと足元に違和感を感じた。こう、何か柔らかいものを踏んでいるような―

―…………………

「ひぁっ、お姉ちゃん!?」
「…んー…」

苦しそうな、不機嫌そうな声が下から聞こえてきた。
そのまましゃがんで姉の顔を軽くたたいてみた。

―綺麗な景色とはいえ、こんな所に１人でいるのは…

べちべちと亜美を叩き続ける。
「お姉ちゃん、起きてー！」

「……起きとるわ！」

いつのまにか亜美は目を開け、やや苛ついた表情でこちらを見上げていた。

「…目開いてなかったのに」
「苦しいんだよどけこの野郎」
「…あ」

見ると、自分は亜美の身体の上にしっかりと座っていた。

「うわ、ごめん」
「許さん。…ここどこ？」
「わかんないの」
「ええ？」

亜美も回りを見渡し始める。

その時、高い草むらから木の葉がこすれる音がした。
反射的に聞く。

「誰かいるの？」

すると草むらから、男性にしては少し髪の長い、古そうな服を来た男の子が出てきた。

「…あぁ、わかっちゃったか。
僕はマオ。このセカイの住人だよ」

彼は言った。

「ここに来る前に一体何があったのか。詳しく思い出してごらん」

怪しげに笑いながら。