【ジョジョの奇妙な冒険】Fiore velenoso 【ジョジョ５部】

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暗い闇は晴れたが、フーゴの心には未だ靄がかかったように釈然としないことがあった

(おかしい、スタンド使いは一人じゃあないはずだ
こいつの能力は恐らく闇を操る能力...ではあの空に浮いていた物体は＿？)

拷問を始めたミスタを他所にフーゴは辺りを警戒する
フーゴ側は負傷者が二人も出ているのだ

ナランチャは細かい傷が大量についているのみだが、Aは弾丸をまともに食らっている

急いで治療しなければ死んでしまうかもしれない

「ミスタ、急いだ方がいい！Aを急いで治療しなければッ」

フーゴは焦って後ろへ呼び掛ける

＿数秒待っても返事はない

先程まで側でAの毒に倒れた敵を拷問していた筈なのに

「ミスタ？」

フーゴが振り返るとそこには先程まで拷問していた男の死体のみが転がっていた
男はナランチャと同じように、身体中に細かい傷を負っている

「ミスタ＿！？何処だッ」

「うぐッ」

フーゴが小さい唸りが聞こえた方へ目を向けると、壁にミスタが張り付いていた

まるでモナ・リザのような絵画を額縁へ入れて部屋に飾るように、ミスタの体が壁へ張り付いている

「ミスタァ〜！」

フーゴが駆け寄るとナランチャと同じように細かい傷痕

やはりそうだ、とフーゴは確信を持った
敵のスタンド使いは二人いる、そしてそいつが仲間である闇を操るスタンド使いをも殺したのだと

「パンナコッタ・フーゴ＿後はお前一人になったみたいだが。あそこに転がった女の毒はもう消えちまったのか？」

何処からか声が響いた
低いテノールのような声がフーゴの耳を撫でるように過ぎていく

「誰だ貴様は」

「オイオイオイ、誰だって？そんなのいちいち名乗る訳ねーだろーがよォ。あー、さっき俺が殺ったその男なら教えてやってもいいぜェ」

フーゴの前に男は突然現れた
ひょろりとした細身の長身で如何にも不健康そうな肌の色をしている
白髪をかきあげて男はフーゴに歩み寄る

フーゴは咄嗟にパープル・ヘイズを発現させた

「そいつはバッティスタ...パッショーネの一員だよ。闇を操るスタンド使い、お前ほどの男なら既に理解していただろうがな」

「だから何だ＿お前ら、ボスに内密で闇金のやり取りをしているな」

フーゴはいつパープル・ヘイズを繰り出そうか、と様子を伺いながら男に質問をする

男はケラケラと品の無い笑い声を上げるとフーゴにぐん、と近づく

「それが内密じゃあないんだなァ」

「ッ＿」

その時、フーゴはパープル・ヘイズを敵に繰り出した

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