434話 ゼロの執行人 ページ35
「君のおかげで、日本を貶めるテロリストを逮捕できた」
「いつテロだと思ったの?」
「君の推理どおりだ。あの日、国際会議場を点検中に、ガス栓にネットでアクセスできることを知った。それを使った爆破テロの可能性を考え、公安鑑識に指示していたとき。だが現場の状況から、事故で処理される可能性もあった」
「それで容疑者を作ったんだね」
「その容疑者を、出来るだけ早く警察から公安の言いなりになる公安検察に移したかった」
「だから境子先生を弁護士として送り込み、事故の線を潰したところで、小五郎のおじさんを解放した」
「凄いね、君は。全ての謎を解く」
「いや、まだ解けてない謎がある。それは――…」
「携帯」
コナンが問い詰めようとした言葉を、零さんが遮った。
「さっきからずっと光ってるよ」
蘭から連絡が入っていたようだ。
その留守電を確認するコナン。
『零さん…』
「ん?…あ、ちょっと待ってくれ」
胸を占める不安を伝えようとするが、連絡が入ったようで遮られた。
「はい。……何!?カプセルが!?」
やはり、まだ終わってはいなかったようだ。
爆破の威力で軌道が変わったカプセルは、今3万人が避難しているエッジ・オブ・オーシャンに落ちようとしているらしい。
このままだと、多くの死者が出る。
俺たちは急いで非常階段を駆け下りる。
「くそっ、ダメだ…!蘭に連絡がつかねぇ!」
蘭たちもカジノタワーに避難しているらしい。
焦るコナンに、俺と零さんは振り返る。
『どうするの、コナンくん…!』
「もう時間がないぞ!」
「…安室さん、Aさん。今度は僕の協力者になってもらうよ!」
俺と零さんは目を見開く。
だが今は、この小さな探偵の頭脳を借りるしか手はない。
警視庁を出た俺たちは急いで零さんの車の元に走る。
「2人とも助手席に乗ってくれ」
何かあったときに、この車の構造上、後ろの席は脱出しづらい。
『でも、だったら俺は――…』
俺がいてもなにもできない。
だったらもうここに置いていってくれたほうがいい。
「早く乗れ!最後まで、そばにいるんだろう!?」
「Aさん!早く!」
ここでもたついている方が時間の無駄だ。
それに、最後まで一緒にいる約束を破るわけにはいかない。
『…わかった』
俺は助手席に乗り込み、その膝の上にコナンを乗せ、シートベルトを締める。
「行くぞ!」
零さんは力強くアクセルを踏み、急発進した。
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます!人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます!ずっと読んでいただけて嬉しいです!それも面白そうですね…!ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います! (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます!長いのに、ここまで読んでくれたのですね…!お疲れ様です!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年7月13日 14時