【名探偵コナン】異世界の訪問者9《男主》

416話 ゼロの執行人 ページ17

ひとつ、引っ掛かりがあるとすれば…【88231】。

日下部検事の、あの暗証番号。
しかも入力音付きの。




何かこれに、意味があるはず――…と考えていたとき、ガチャっと運転席のドアが開いた。



「…難しい顔してるな」

『おかえり…。…ずぶ濡れじゃん。なんで傘持っていかないの…』



拭くものがないので、時間があるなら一度家に帰ろうと提案すると、やはりというべきか、断られた。


『そういえばさ、毛利さんの弁護士の橘って人、公安の…風見さんの協力者でしょ？』

「…やっぱりお前にはわかるか」

『まぁね。毛利さんを不起訴にするように、弁護につかせたってところか。まぁ、もう必要ないんだろうけど』

「毛利先生は解放する。あとはテロの犯人を見つけて、捕まえるだけだ」


雨が滴り落ちる窓の外を眺めながら、零さんの言葉に耳を傾ける。



『…ゼロは今、どこまでの情報を掴んでいるの』

「…さっき起こったIOTテロにも、Norが使われていることが分かっている。そのサーバーを特定するためのシステムが、NAZUにあるそうだ」


あっさり教えてくれた零さんに一瞬驚くが、少し嬉しくもあった。



『…NAZU、か…』


最近、ニュースでよく聞く。
人工衛星はくちょうを打ち上げたのもNAZUだ。

俺のいた世界でいう、NASAと同じものだろう。


新しいピースがひとつ増えた気がした。
だが、まだどこか欠けていて、いまいち繋がらない。


IOTテロ、Nor、橘境子、NAZU、日下部検事、安室透は人殺し、そして――88231…。



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