414話 ゼロの執行人 ページ15
冷たい雨が、体温を奪っていく。
風見さんは、嘘をついている感じじゃなかった。
零さんが、そんなことするわけない。
きっと、何か裏があるんだ。
俺だって、したことがあるじゃないか。
取り調べた相手を自 殺したことにして、その人生を放棄させる。
あまり使いたくない手ではあったが、警察組織のために、それが必要だと判断しなければならないときがあった。
きっと、零さんも…。
そのとき、周辺が突然騒がしくなったように感じた。
「なんだ…!?」
『…コナンくん、あれ…!』
視界の端に見えたものを指差す。
もくもくとあがる黒煙。
それも、一箇所じゃない。
微かに、何かが衝突する音や、爆発音まで聞こえている。
「一体何が…!?」
走り出すコナンの後を追う。
近くのビル街に設置されていた巨大モニターに映っていたのは、電化製品が次々と暴発しているという情報だった。
「犯人の目的はなんなんだ…!?」
雨に濡れるのにも構わず、俺とコナンはモニターを見上げる。
「…電化製品」
ボソッと呟かれた単語。
真実は、近いようだ。
「…っ、そうか!」
ようやく気づいたようだ。
「このテロの最初が、サミット会場の爆破だったんだ…!!」
『俺もまさか、こんなテロに踏み込むとはさっきまで思ってなかったけど』
俺の場合は、あのケーキが溶けた事件が伏線だと分かっていたから、少しずるいんだけどね。
「急いでこのことをみんなに…」
『俺はここまで。あの人がここに迎えに来てくれるから』
「…Aさんは、やっぱり安室さんの味方なの…?」
『君をここまで導いた時点で、俺の役目は終わった。物語は順調に進んでいるようだし。それに、最後は同じほうを向いて歩けるよ』
ここまで来れば、もう大丈夫。
コナンが今起きている事態がIOTテロだと報告すれば、拘置所で身動き取れない毛利さんのアリバイは証明される。
そうすれば、零さんも毛利さんの解放に動くはずだ。
あとは、2人で協力して犯人を見つけて捕まえる。
これで終わり。
『急ぎなよ。大事な人が待ってるんでしょ?』
「っ…あとで詳しく聞くからな…!」
そう言ってコナンはスケボーに乗って行ってしまった。
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096 - いおりさん» コメントありがとうございます!人生の楽しみだなんて、嬉しい限りです!これからも楽しんでいただけるよう頑張ります!! (2019年8月10日 19時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - 黒瀬くんと降谷さんの日常を見てニヤニヤしてます。この物語は今や、私の人生の楽しみになっています。こんな物語を書ける096さんはすごいですね。これからもお体にお気をつけて、更新頑張ってください。 (2019年8月9日 23時) (レス) id: 50154c1ba9 (このIDを非表示/違反報告)
096 - basuke07さん» コメントとリクエストありがとうございます!ずっと読んでいただけて嬉しいです!それも面白そうですね…!ぜひ機会がありましたら構想を練って書いてみたいと思います! (2019年8月6日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
basuke07(プロフ) - 一番最初から今までずっと読んでますとても面白いですリクエストみたいなものなんですが夢主さんがまた警察の公安になる番外編的なものを作って欲しいです (2019年8月6日 19時) (レス) id: 7f07f3e8a0 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 裕さん» コメントありがとうございます!長いのに、ここまで読んでくれたのですね…!お疲れ様です!これからも頑張りますので、よろしくお願いします! (2019年7月20日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年7月13日 14時