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309話 ページ10

『………』


向けられるそれに臆することなく睨みつけると、ジンは口角を上げて笑った。



「一般人のくせに、随分と度胸があるな。普通はもっと怯えて、泣き喚くところだろうが」


…こういう状況に慣れていることが仇になったようだ。
怯えて喚く演技をすればよかったか…。


さて、どうしたものか…。



スマホは取り上げられているようだ。
解析されて、電話帳を見られたら終わる。


電話帳の一番上にある名前は“赤井秀一”。
見られたら、もっと怪しまれる。


早くどうにか打開策を考えないと…。


零さんはいつ帰るかわからないと言っていたから、この状況に気づきはしないだろう…。



考えていると、倉庫の扉が開いて、光が差し込んだ。




「ちょっとジン、こんなところで何してるの」


現れたのはベルモットだった。
そしてもうひとつの気配。

まだ、俺にも運があるようだ。



「…なぁに、この子」

「バーボンの周りをうろついていたガキだ。俺たちのことを知ってる」



彼女はバーボンと取引をしている。
俺に何かあっては、自分の立場も危うくなるだろうから、なんとかしてくれるはず…。



「あら、バーボンの子猫ちゃんじゃない」

「知ってるのか」

「ええ。バーボンのお気に入りよ。そうでしょう?」


ベルモットが扉のほうを見た。



「ええ。彼は僕のです。解放してくれませんか?ジン」



現れたのは彼だった。
仕事は、組織の方だったらしい。


ベルモットと行動を共にしていたときに、俺の情報が入って駆けつけた、というところか。



「どういう関係だ」

「どうもこうも、探偵業の助手です。行動を共にしているうちに、組織について知ってしまったようで…。ですが特に害はないと判断したので、そのまま傍においていただけですよ。何か問題が?」


言葉巧みに、笑顔と共に説明していくバーボン。




「随分と信用しているようだな。こいつが無害だと思う根拠はなんだ」

「根拠なんてありませんよ。傍にいれば分かることです」


そう言うバーボンをジンは睨むと、俺に背を向ける。



「くだらねぇな。…少しでも怪しい動きを見せたらそのときは、てめぇと共に始末するからな」


この場は見逃してくれるらしい。



俺のエアガンを投げ捨てたウォッカと共に、倉庫を出て行った。



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設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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096 - ayumigomaさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようで嬉しいです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします! (2019年6月7日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
ayumigoma(プロフ) - 楽しく読ませて頂いています。頑張って下さいね(〃ω〃) (2019年6月7日 0時) (レス) id: 364bfd5e94 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただける小説を書きたいと思いますのでよろしくお願いします! (2019年6月4日 12時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - いつも楽しませてもらってます。これからも応援してます。続き楽しみです! (2019年6月3日 22時) (レス) id: b80200442e (このIDを非表示/違反報告)
096 - シズキさん» そこまで言っていただけるとは…!本当に嬉しいです!!これからも、飽きさせてしまわないよう、試行錯誤して書いていきますので、よろしくお願いします!こちらこそありがとうございます!! (2019年6月3日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:096 | 作成日時:2019年5月23日 22時

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