318話 -Side降谷- ページ19
一緒のベッドに入り、彼を抱きしめながら背中を撫でていると、ぽつぽつと彼は話し始めた。
『…お父さんも、お母さんも…僕のせいで死んだんだ』
以前も言っていた。
自分の代わりにみんないなくなる。
だから俺を守らないで、と。
こんなに子供の頃から、ずっと、責任を感じていたのか。
「…君のせいじゃないよ。ご両親は、君を守りたかったんです」
『でも、僕がストーカーなんかに合わなければ…。…僕が、2人に話さなければ…』
「もしご両親に黙っていて、君に何かあったら…その方がご両親は悲しみますよ。君は生きてここにいる。それだけで、おふたりも嬉しいはずです」
『…親戚の人もみんな、僕を見て迷惑そうにするよ？僕は邪魔なんだって』
「でも、僕は君が必要です。むしろ、君が親戚に引き取られていたら、僕らがこうして出会うこともなかったかもしれないんですから」
『……お兄さん、おかしな人だね。本当にただの友達なの？』
やはり幼いころから、この子は賢く、勘も鋭いらしい。
恋人だ、と言えればいいけど、更に混乱させるわけにはいかない。
「…友達、ですよ」
お兄さん、なんて呼ばないでくれ。
早くいつもみたいに、零さんって…。
『…うそつき、だね』
「え？」
ドキッと心臓が跳ね上がる。
合わさった視線から、すべてを見透かされているようだった。
いや、見透かされているんだろう。
『でも、いいよ。その嘘は、僕を守るためでしょ？』
目の前にいるのは、間違いなく黒瀬Aだと思い知らされた。
抱きしめる腕に力を込める。
『…大丈夫。お兄さんに早く返すから。“Aさん”を』
子供にまで気を遣わせるなんて…。
やっぱりAがいないと、駄目みたいだ。
・
朝起きると抱きしめていたはずのぬくもりはなくて…。
「…A…？」
真白楓は…いや、Aはまた、僕の前から姿を消した。
・
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096 - ayumigomaさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけているようで嬉しいです！頑張ります!!これからもよろしくお願いします！ (2019年6月7日 22時) (
レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
ayumigoma(プロフ) - 楽しく読ませて頂いています。頑張って下さいね(〃ω〃) (2019年6月7日 0時) (レス) id: 364bfd5e94 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます！これからも楽しんでいただける小説を書きたいと思いますのでよろしくお願いします！ (2019年6月4日 12時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - いつも楽しませてもらってます。これからも応援してます。続き楽しみです！ (2019年6月3日 22時) (レス) id: b80200442e (このIDを非表示/違反報告)
096 - シズキさん» そこまで言っていただけるとは…！本当に嬉しいです!!これからも、飽きさせてしまわないよう、試行錯誤して書いていきますので、よろしくお願いします！こちらこそありがとうございます!! (2019年6月3日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年5月23日 22時
