311話 ページ12
俺の行動に、バーボンは焦燥を露わにする。
少し苛めすぎたかな。
『美人さんからのお誘いは嬉しいですけど。…貴女はもっと、誘うのが上手い人だと思ってました』
「あら、貴方には物足りなかったかしら?」
『俺が満足することはありませんよ。あの人以外にね』
頬を撫でる手を退かして、目線をバーボンに向ける。
「見せ付けてくれるじゃない」
ベルモットにはもう俺と彼の関係はバレているだろうからもう隠しはしない。
「いいわ。さっさと2人で帰りなさい。私がタクシーで帰るから。その代わり、今度一緒に呑みに行きましょう?子猫ちゃん。もちろん、2人きりで」
『…彼が許してくれたらね』
「許すわけないじゃないですか。帰りますよ」
ベルモットから俺を引き剥がして、バーボン…いや、零さんは倉庫を出た。
近くに停めてあった彼の車に乗り込んで帰路につく。
「怪我は?」
『ないよ。早めに来てくれて助かった』
「さっき持ってた銃は?」
『…エアガンだよ。博士に貰ったんだ。護身用にね。ハッタリにもなるし』
「まったく…。お前は知らない間にいろいろ首を突っ込んでいるな」
『それが捜査官の性なんで』
「…違いないな」
苦笑する零さんの横で、窓の外の景色を眺める。
いろいろあったけど、すっかりこの世界に馴染んでしまったなと思う。
戻りたいとか、そんな気持ちはもうまったくないけど、これからどうしていくか、また考えなければならない。
組織に顔がバレた以上、迂闊なことをしては零さんの身が危うい。
この物語は、ちゃんと終わりに近づいているのだろうか…。
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096 - ayumigomaさん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけているようで嬉しいです!頑張ります!!これからもよろしくお願いします! (2019年6月7日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
ayumigoma(プロフ) - 楽しく読ませて頂いています。頑張って下さいね(〃ω〃) (2019年6月7日 0時) (レス) id: 364bfd5e94 (このIDを非表示/違反報告)
096 - りりこスタイルさん» ありがとうございます!これからも楽しんでいただける小説を書きたいと思いますのでよろしくお願いします! (2019年6月4日 12時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
りりこスタイル - いつも楽しませてもらってます。これからも応援してます。続き楽しみです! (2019年6月3日 22時) (レス) id: b80200442e (このIDを非表示/違反報告)
096 - シズキさん» そこまで言っていただけるとは…!本当に嬉しいです!!これからも、飽きさせてしまわないよう、試行錯誤して書いていきますので、よろしくお願いします!こちらこそありがとうございます!! (2019年6月3日 22時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2019年5月23日 22時