237話 ページ38
零さんから通帳を受け取り、中身を確認する。
あっちの世界で俺が稼いでいた多額のお金がそのまま入っていた。
ひらりと、紙切れが落ちる。
『？』
拾い上げると、懐かしい字で“餞別だ。元気でな。 涼”と書かれていた。
『……涼』
こっちの世界でも使えるように涼が……。
「…A？」
頬を伝う雫が、通帳を濡らした。
『ぅ…く…っ』
本当に、もう会えない。
あいつは…次に進んだ。
『……お前は、…最後まで、優秀な俺の右腕だったよ…』
優しく頭を撫でられた。
零さんは何も言わず、泣き止むまで傍にいてくれた。
・
「涼ってどんなやつなんだ？」
泣き止んで、零さんが作った朝食を食べる。
朝から豪華な和食のオンパレードだ。
焼き鮭を突きながら、松岡涼という人物について思い出す。
『…警察学校時代の同期で、警視庁公安部の人間。どんな状況でもいつも笑ってた。あいつの明るさに、俺は救われてたんだ。一緒に組織に潜入して、俺を庇って…』
「……なるほど。随分信用していたんだな。少し、羨ましいよ。僕の知らないお前を知ってるんだから」
『真白も黒瀬も、そう変わんないよ。零さんみたいに使い分けられるほど器用じゃないし、黒瀬のほうがちょっと人当たりがいいけど、零さんに対してはもうずっと素だしね』
味噌汁も漬物も美味しい。
さすが零さんだなぁ。と朝からご飯をかき込んでいく。
『でも、コロンボで働かなくなったら、俺することないんだけど…』
金はあるからといって、今まで仕事漬けだったのに、何もしないのは落ち着かない。
「安室の探偵業を手伝うというのがまだあるだろ。それに、前の世界で十分働いたんだ。少し休め」
『それ、零さんが言う？』
くすくすと笑い、朝食を完食し、ごちそう様、と手を合わせた。
・
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優(プロフ) - わかりました！返信ありがとうございます！ (2019年5月8日 7時) (
レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 優さん» コメントありがとうございます！この作品は、主人公受けとなっております！ですが、細かい描写はございません。 (2019年5月7日 21時) (レス) id: d9ca70487a (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - これって、黒瀬さんと零さん、どっちがネコとかありますか？ (2019年5月7日 2時) (レス) id: 2e7cf744fc (このIDを非表示/違反報告)
096 - 架印�靴気�» 報告ありがとうございます！！確認不足でした...！修正させていただきました！ (2019年4月30日 18時) (レス) id: 674cb05958 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 誤字報告：247話 - 真純ちゃんの純の字が、澄になってます。 (2019年4月30日 17時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：096 | 作成日時：2019年4月10日 21時
