1741話 ページ42
一度関係者の出入り口から外に出た時、風見さんから着信があった。
『あ、もしもし？』
《黒瀬くん。降谷さんから事情は聞いた。今どこに？》
『ちょうど関係者の出入り口から外に出たところ。合流します？』
《そうだな。すぐに向かう》
通話が切れて少ししてから、風見さんの気配が近づいてくるのを感じた。
『あ、風見さ――……、気合入ってますね』
合流した風見さんの額には“I♡YOKO”と書かれたハチマキが巻かれていた。
服装もいつものスーツではなくラフなTシャツ姿で、ライブを思いきり楽しむ予定だったのが伝わってくる。
「あっ!?いや、これは…！」
『いや、別にいいですよ。非番の時に呼び出してすみません。それに、その方が刑事っぽくないので、そのままで』
「は、ハチマキだけは外させてもらうよ…」
恥ずかしくなったのか、いそいそとハチマキを外す風見さん。
「それで、何か進展はあったのか？」
『いや、今のところは何も。舞台裏に不審物もなかったし…。客席の方は今、毛利さんたちに見回ってもらってるので報告待ちです』
「毛利さん…」
その名前を聞いて表情を曇らせる風見さん。
サミット爆破の容疑者として、毛利さんを無理矢理逮捕したのを気にしているんだろう。
お互いに気まずいだろうし…。
『中止にしなかった場合、犯人が誰の命を狙っているのかも不明のままだし…』
「そもそも、なぜ犯人はこのライブを中止にさせたいんだ…？」
確かに、その理由も分からない。
『よくある動機で言えば、近所への騒音トラブルとか、主催者や出演者に恨みがあるとかだけど。…この会場の立地的に騒音トラブルは考えづらいし…』
「となると、私怨か？」
『可能性でしかないけどね。あ、ちょっとごめん』
コナンから着信が入り、風見さんに断りを入れて通話ボタンを押した。
《Aさん。一通り見て回ったけど客席にも特に怪しいものはなかったよ》
『そうか…』
ここまで何もないとなると…、脅すだけの愉快犯か…？
いや…犯人は絶対にどこかに潜んでいるはずだ。
考えろ…。
会場内の様子を窺えて、かつ、大きな被害を与えられる場所は――…。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 466人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - つみさん» 一気読みありがとうございました！そしてお疲れ様です…!!もう一周…！嬉しいです！これからも頑張ります！ (2022年1月1日 22時) (
レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
つみ(プロフ) - やっと最新話まで読めました！一気読み楽しかったです！もう一周してきますね！更新頑張ってください！ (2021年12月31日 23時) (レス) id: 5c8f437fce (このIDを非表示/違反報告)
096 - ??さん» ありがとうございます…！何周もしていただいて嬉しいです…っ！これからもいろんなお話を書いていきますので、よろしくお願いします!! (2021年12月13日 22時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 今まで出会った小説の中で1番好きでもう何周もしています。何回読んでも泣ける素敵なお話で大好きです！緋色の弾丸や次の映画がこの小説にも登場するのが楽しみです！！これからも応援しています。 (2021年12月13日 11時) (レス) id: b0630737aa (このIDを非表示/違反報告)
096 - 伶さん» 初めまして！見つけて読んでくださり、さらには日課にしていただきありがとうございます！頑張って毎日更新してますので、これからもよろしくお願いします！ (2021年12月10日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：096 | 作成日時：2021年11月16日 22時
