【名探偵コナン】異世界の訪問者32《男主》

1558話 14番目の標的 ページ9

『ところで博士。下の名前なんていうんです？』



やややつれた様子の博士に尋ねる。





「博士(はかせ)と書いて、博士(ひろし)じゃ…」



そうだったんだ。
そのままだな。




『なるほど。繋がりました』

「トランプと関係あるの？」



戻ってきた哀からトランプを受け取る。




『犯人についてはまだだけど…、残された遺留品の謎と、襲われた人たちの共通点はね』


救急車が到着するのと、コナンが戻ってきたのはほぼ同時だった。





「悪ぃ。逃げられた」


うつ伏せ状態で救急車の中に運ばれていく博士を尻目にコナンは何かを探しているようだ。





『探し物はこれでしょ？』


残されていたものを掲げるとコナンはそれを見てハッと目を見開いた後、「やっぱりな」と呟いた。





「Aさんも分かったんだな」

『ああ。もしそうなら…事件はまだ半分も終わってないことになる』

「とにかく、このことをおっちゃんと白鳥警部にも伝えねぇと」



すぐに毛利さんに連絡を取るコナン。




犯人の狙いは一体なんなんだ。

3人の共通点は分かったけど、本当にそれだけか…？


他に何か、大きな意味があるはず…。






「Aさん」



哀に呼ばれ、ハッと顔を上げた。





「一緒に行くんでしょ？もう出るみたいよ」


博士に付き添って救急車に乗っていた哀がこちらを見つめていた。





まさか1日に2回も救急車に乗ることになるとはな…。




電話を終えたコナンも乗り込み、今度は米花中央病院に向かった。









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