1584話 14番目の標的 ページ35
数分後、毛利さんが険しい表情で帰ってきた。
「毛利先生、非常口は…」
零さんが尋ねると、毛利さんは首を横に振った。
「セメントで固められていて、開かなかった」
「あんたのせいだ!あんたのせいで関係ない私たちまで!」
「そうよ!どうしてくれんのよ!」
仁科さんと小山内さんが毛利さんを責める。
毛利さんは何とも言えないような表情で顔を逸らした。
こんなに弱々しい毛利さんを見るのは、初めてかもしれない。
やはりもう、彼の心はかなり追い詰められてきている。
「村上が順番を変えてなかったってことは、次に狙われるのは奈々ちゃん、君だってことだ」
宍戸さんの指摘に、小山内さんは顔色を変える。
「や…やめてよ!なんでそんな名前も知らない男に狙われなきゃいけないの!?」
「でも、気になることがあるんでしょ?」
コナンの言葉に、小山内さんは僅かに動揺を見せた。
「だってさっき、村上が8日後に出所したことについて、なら関係ないって言ってたし」
「だから、あれは関係ないって…」
「関係ないかどうかは、我々が判断します。話してください」
口を噤もうとする小山内さんに、目暮警部が促した。
「……3か月前、電話をしながら運転をしていて…赤信号に気付いて急ブレーキをかけたんだけど、走行してきたバイクが転倒して…。接触はなかったけど怖くなって、その場を逃げたんです…」
「バイクの型は?オフロードじゃなかった?」
阿笠博士を襲撃した犯人が乗っていた車は、コナンの言う通りオフロードバイクだった。
「ううん。普通のバイクだった」
とは言っても、事故後に新しくオフロードにした可能性もある。
『事故の相手、どこか怪我は?』
「すぐ逃げちゃったから分かんないけど、頭を押さえてたかも…」
「警部、今度の事件とは無関係ですよ。それより、脱出することを考えないと」
「そうだな。建物中探せば、どこかに出口が見つかるかもしれん」
手分けして探した方が早いというフォードさんの提案で男性陣が立ち上がる。
「いいか。蘭とコナンはここにいろ。奈々さんもここを動かないように」
「はい…」
毛利さんが指示を出し、各々出口を探すことになった。
・
407人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
096 - ふぇおさん» こちらこそ、嬉しいお言葉ありがとうございます!寒暖差が激しいので、ふぇお様も体調にお気を付けくださいね。これからも応援よろしくお願いします! (2021年10月17日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
ふぇお(プロフ) - いつも楽しみに読ませていただいてます!!!体調を崩さない程度に更新してくださいね、応援してます頑張ってください!!神作をありがとう!!! (2021年10月17日 0時) (レス) @page20 id: c548f35cab (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!楽しんで頂けるよう頑張ります! (2021年10月3日 21時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 096さん» 映画ストーリーは好きです、頑張って下さい (2021年10月2日 16時) (レス) @page6 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
096 - シオンさん» ありがとうございます!! (2021年10月1日 23時) (レス) id: 5783aede03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:096 | 作成日時:2021年9月28日 21時