859話 紺青の拳 ページ10
「お前たちの狙いは…」
「ふっ…よく気のつくボウヤだな」
リシが銃を構えて笑う。
「このホテルには鈴木財閥のお嬢様がいる。誘拐すれば身代金は桁違いだ」
「お嬢様はもう避難しているんじゃねーか?」
「まだスイートにいるはずだよ。僕が電話で絶対に部屋を出るなと言っておいたからね」
園子のそばには京極がついているはずだ。
任せても問題はないだろう。
それよりも…早くこの場を切り抜けないと。
シンガポールの空は、地上の火に照らされて赤く染まっていた。
あちこちで爆発音が聞こえ、火の粉が舞っている。
「見ろ。結局私の思い描いたとおりになるんだ。この街は焼き尽くされ、生まれ変わる!フフフ…ハハハハハッ!――うっ!」
高笑いするレオンの口に、リシが銃を突っ込んだ。
「お前が見ることはないがな!」
今がチャンスだ、とキッドへ視線を送る。
小さく頷いたキッドは一瞬のうちに両の手の指の間に煙幕ボールを現した。
そして、笑みを浮かべ、そのボールを地面に投げつける。
一瞬で辺りは煙幕に覆われた。
とりあえず俺たちに銃やナイフを突きつけていた海賊たちを蹴り飛ばす。
エアガンを使えば、煙幕が晴れてしまう。
今は気配を頼りに殴って、蹴る――…!
蘭たちの方はコナンに任せる。
『っ!』
ピリッと頬に痛みが走った。
ナイフで頬を切られたようだが、その切りつけてきた相手の顔面に回し蹴りをくらわした。
徐々に煙幕が引いていくその先で、プール中央に並べられたデッキチェアの上を飛び跳ねながら、プールの外縁に移動しているコナンの姿を見つけた。
それ以上先は地上に真っ逆さまだぞ…!
急いでコナンのもとへ走る。
だが、海賊がコナンに向かってデッキチェアを投げつけた。
それが直撃したコナンの体は外縁の向こうへ投げ出される。
『コナンッ‼』
コナンへデッキチェアを投げた海賊に向かってエアガンを発砲。
風圧で壁に激突し気を失ったのを確認し、コナンのもとへ急いだ。
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096 - はしもんさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年4月21日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
はしもん(プロフ) - 898、899話更新お疲れ様です! これからもずっとずっと、応援させてください(´˘`*) 大好きです!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3a59eb0a02 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 稲荷さん» はじめまして!嬉しいお言葉ありがとうございます!このコメントを読んでから私も改めて“さだめ”を聴いたら、確かに…!となりました!曲を聴いて2人を思い出してくれるなんて嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - くれはさん» まだ終わりません…!(笑)どうぞお楽しみに…!! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はしもんさん» 一難去ってまた、という感じですね!いえいえ!私も話数ミスがあったので、修正しました! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年3月22日 22時