896話 ページ47
『…そうだ。薬 物耐性、つけ直したいんだけど、ダメ?』
「ダメに決まってます」
やっぱり即答。
知ってたけどさ。
「…ふふ、なんか安心したわ」
運転席に乗り込んだ佐藤刑事がバックミラー越しに俺たちを見て笑った。
『…何がです?』
「黒瀬くんにも、ちゃんと甘えられる人がいたのね。…前に話したでしょ?私が好きだった人の話」
確か…以前に事件現場で会った時に話していたな。
――…松田さんのことを。
「私、勝手に黒瀬くんにあいつを重ねてたから。一人で無理して…一人でいなくなっちゃうんじゃないかって思ってたの。…でも、大切なパートナーがいるなら安心ね」
ちらっと安室さん――いや、零さんの様子を伺うと、彼も誰の話をしているのか薄々察しているのか、どこか儚げな目をしていた。
そっと、彼の手に自分の手を重ねる。
『大丈夫ですよ。俺は――…俺たちは、互いを支え、護り合う。そうやって生きるって、約束しているので』
彼の瞳に俺が映る。
安心させるように微笑むと、彼も微かに笑い、手を握り返してくれる。
「…素敵ね。応援しているわ、2人のこと。――さ、行きましょうか」
車がゆっくり発進し、警視庁に着くまでの間、その体に身を預け、気づけば眠りに落ちていた。
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096 - はしもんさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年4月21日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
はしもん(プロフ) - 898、899話更新お疲れ様です! これからもずっとずっと、応援させてください(´˘`*) 大好きです!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3a59eb0a02 (このIDを非表示/違反報告)
096 - 稲荷さん» はじめまして!嬉しいお言葉ありがとうございます!このコメントを読んでから私も改めて“さだめ”を聴いたら、確かに…!となりました!曲を聴いて2人を思い出してくれるなんて嬉しいです!これからも応援よろしくお願いします! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - くれはさん» まだ終わりません…!(笑)どうぞお楽しみに…!! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
096 - はしもんさん» 一難去ってまた、という感じですね!いえいえ!私も話数ミスがあったので、修正しました! (2020年4月20日 13時) (レス) id: e8c1cec671 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:096 | 作成日時:2020年3月22日 22時